アーベル群の意味と性質、具体例について


はるか
アーベル群って、群の中でも特別な場合。交換法則が成り立つのがポイント。

ふゅか
あっ、それって例えば「2 + 3 = 3 + 2」みたいなことよね?普通の加法がイメージしやすいかも!
目次
1. アーベル群
群とは、集合 \( G \) と演算 \( * \) 、任意の \( a, b \in G \) に対して
- 結合律\[ (a * b) * c = a * (b * c) \]
- 単位元の存在\[ a * e = e * a = a \]
- 逆元の存在\[ a * a^{-1} = a^{-1} * a = e \]
これに加えて、アーベル群では交換法則を満たします。つまり、
$$a*b=b*a$$
2. アーベル群の具体例
2.1. \(\mathbb{Z}\)(整数全体)
- 元:整数全体
- 演算:加法 \(+\)
\(\mathbb{Z}\) は加法について閉じており、単位元は \(0\)、各整数 \(n\) には逆元 \(-n\) が存在し、加法は可換なので、これはアーベル群です。
2.2. 有限巡回群 \(\mathbb{Z}_n\)(\(\mathbb{Z}/n\mathbb{Z}\))
- 元:\(\{0, 1, 2, \dots, n-1\}\)
- 演算:合同類同士の加法(\(\bmod \, n\))
たとえば \(\mathbb{Z}_5 = \{0,1,2,3,4\}\) では、演算は「5 で割ったあまり」の加法です。どの元を足しても 5 で割ったあまりの世界で閉じており、単位元は 0、逆元も各元について存在、加法は可換なのでアーベル群を構成します。

ふゅか
うんうん!じゃあ、「有限巡回群」ってやつもアーベル群?

はるか
そうだね。たとえば、$mathbb{Z}_5$。5で割ったあまりで足し算する。

ふゅか
なるほど!0から4までの数字で「ぐるぐる回る」感覚ね。
2.3. \(\mathbb{R}^n\) のベクトル
- 元:\(\mathbb{R}^n\) のベクトル
- 演算:ベクトルの加法
\(\mathbb{R}^n\) は成分ごとの加法で閉じており、単位元は \((0,0,\dots,0)\)、逆元は各成分を符号反転させたベクトルです。ベクトルの加法は可換なので、\(\mathbb{R}^n\) はアーベル群になります。
PR