ACID特性とは?ゆるーくわかりやすく解説




1. ACID特性とは?
ACID特性(acid properties)は、データベースが信頼性と整合性を保つために必要な4つの基本原則を指します。ACIDとは次の4つの特性の頭文字からとっています。
この特性を理解することで、データベースがどのようにしてデータを正確に保ち、トラブルを防ぐのかを知ることができます。
2. Atomicity(原子性、アトミック性)
「すべてか、何もか」という考え方です。
データベースで操作を行うとき、途中で問題が発生した場合、すべての操作が取り消されるようにする仕組みです。つまり、一部だけが変更されてしまうといった不完全な状態が発生しないようにします。


2.1. 原子性の例
AさんがBさんに「給料日だから焼肉のおごり」として送金する状況を想像してください。送金するためには次の処理を行う必要があります。
- Aさんが自分の口座からお金を引き出す
- Bさんの口座にお金が入る
ここで突然、送金の途中でAさんのスマホが水没するというハプニングが発生!もしアトミック性がなければ、「Aさんの口座からだけお金が消えた!」という悲劇が起こるかもしれません。しかし、アトミック性のおかげで、全体の処理がきちんと取り消され、Aさんも「焼肉は次回な!」と笑顔を取り戻せます。
3. Consistency(一貫性)
データベースの状態が常に正しいルールに従うことを保証します。データ操作の前後で、データベース全体が矛盾しない状態を維持します。


3.1. 一貫性の例
オンラインショップの在庫管理を想像してください。 もし、「在庫:-5個」なんて記録を許したらどうなるでしょう?お客さんからクレームの嵐です。一貫性があれば、そんなミスは起きません。データベースは常に「売れるのはある分だけ」とドシっと構えています。
4. Isolation(独立性)
複数の操作が同時に実行されても、お互いに干渉しないことを保証します。他の操作の影響を受けることなく、各操作が正確に処理されます。


セルフレジの例がわかりやすいね!
4.1. 独立性の例
大型スーパーのセルフレジをイメージしてください。
- AさんとBさんが、同じスーパーのセルフレジで同時に会計をしているとします。
- Aさんはりんごを購入しようとしていて、Bさんはオレンジを購入しようとしています。
もし独立性がなかった場合、システムが「誰がどの商品をスキャンしたか」を混同してしまい、Aさんのレジに突然オレンジが追加されたり、Bさんのレジにりんごが現れたりする混乱が発生してしまいました。
5. Durability(耐久性)
操作が完了した後は、その変更が永続的に保存されることを保証します。システムが障害を起こしても、確定したデータは失われません。


5.1. 耐久性の例
家族の誕生日パーティーで、ケーキの注文をしたとしましょう。
- ケーキ屋さんが注文を確定した直後に「停電」が発生!
- 通常なら「注文、消えちゃった?」と不安になりますが、耐久性のあるシステムでは注文データは失われません。
次の日、「お客様のケーキ、ばっちり焼きあがってます!」と笑顔で迎えられます。
6. まとめ
ACID特性は、データベースが安全で信頼できる仕組みを持つための基本原則です。
- Atomicity(アトミック性): 全部または何も行わない
- Consistency(一貫性): データの整合性を保つ
- Isolation(独立性): 同時処理の影響を防ぐ
- Durability(耐久性): データを永久に保持する
これらを守ることで、データベースはミスやエラーに強くなり、安心して利用できるシステムになります。