更新:2025/01/06
ARモデル(自己回帰モデル、AutoRegressive model)の意味と性質について


はるか
ARモデル、知ってる?

ふゅか
うん!自己回帰モデルで、過去のデータを使って未来のデータを予測する方法よね!例えば、気温や株価の予測なんかに使われるわよ!

はるか
そう。過去の値を使う。
1. ARモデル(自己回帰モデル、AutoRegressive Model)
ARモデル(自己回帰モデル、AutoRegressive model)は、時系列データを分析するための統計モデルの一つで、過去の値を用いて現在または将来の値を予測する手法です。「自己回帰」という名前の通り、モデルの中でデータの現在の値が過去の自分自身の値に基づいて回帰(予測)されます。
1.1. ARモデルの基本的な考え方
ARモデルは、時系列データが以下の形式で表されると仮定します:
\[ X_t = c + \phi_1 X_{t-1} + \phi_2 X_{t-2} + \cdots + \phi_p X_{t-p} + \epsilon_t \]
- \(X_t\):時刻\(t\)における回帰
- \(c\):定数項
- \(\phi_1, \phi_2, \ldots, \phi_p\):自己回帰係数(過去のデータが現在のデータにどれだけ影響を与えるかを示す)
- \(p\):モデルの次数(何ステップ前までのデータを用いるか)
- \(\epsilon_t\):誤差項(ホワイトノイズと呼ばれる予測誤差)
例えば、一次ARモデル(一次自己回帰モデル)では、1つ前の値だけを用いて現在の値を予測します
\[ X_t = c + \phi_1 X_{t-1} + \epsilon_t \]
2. ARモデルの拡張
ARモデルは、他のモデルと組み合わせたり拡張したりすることで、より複雑な問題に対応できます。
- ARMAモデル:ARモデルとMA(移動平均)モデルを組み合わせたもの。
- ARIMAモデル:差分化を加えたARMAモデルで、非定常データにも対応可能。
- SARIMAモデル:季節性を考慮したARIMAモデル。
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