組み合わせの性質・意味・具体例・練習問題について



1. 組み合わせ
1.1. $_{n}\mathrm C_{r}$とは?
$$_{n}\mathrm C_{r}=\displaystyle\frac{n!}{(n-r)!r!}$$
$$=\displaystyle\frac{n(n-1)\cdots \lbrace n-(r-1)\rbrace }{r!}$$
1.2. 組み合わせにおける意味
組み合わせとは、重複を許さずにn個の中からr個を選ぶことを指します。
ここでのポイントは、選んだものを順序づけていないという点です。ただ選んでいるだけで、選んだ要素の並び順には関心がないのです。例えば、n個の中からr個の要素を選ぶとき、順序が異なるだけで内容が同じであれば、それらは同じ組み合わせとみなされます。順列とは異なり、組み合わせでは順序の違いを考慮しないため、組み合わせの数は順列の数よりも少なくなります。
この違いを理解しておくことが重要です。組み合わせでは、要素の並び替えが関係しないため、例えば「A, B, C」という要素の組み合わせは、「C, B, A」としても同じものと見なされます。
1.3. 計算
組み合わせを実際に計算すると、
$_{4}\mathrm C_{2}=\displaystyle\frac{4\cdot 3}{2\cdot 1}=6$
$_{8}\mathrm C_{3}=\displaystyle\frac{8\cdot 7\cdot 6}{3\cdot2\cdot 1}=56$
となります。
2. 練習問題
2.1. 練習問題1
$_{4}\mathrm{C}_{2}=\displaystyle\frac{4\cdot 3}{2\cdot 1}=6$
したがって、6通りである。
{A,B}と{B,A}は同じ組み合わせであることを考慮すると、実際にこれを満たす組み合わせは、
{A,B},{A,C},{A,D},{B,C},{B,D},{C,D}
となる。。
2.2. 練習問題2
$_{9}\mathrm{C}_{3}\cdot_{6}\mathrm{C}_{4}\cdot_{2}\mathrm{C}_{2}=\displaystyle\frac{9\cdot 8\cdot 7}{3\cdot 2\cdot 1}\cdot \displaystyle\frac{6\cdot5}{2\cdot 1}$
$=84\cdot15=1260$
したがって、1260通りとなる。
2.2.1. 何が起きているのか?
組み合わせが大きいので、人数とチームを減らします。
a、b、c、dさん4人がチームに所属しているとし、3人、1人のチーム分けると考えます。
3人のチーム1人のチーム
a,b,c | d |
a,b,d | c |
a,c,d | a |
b,c,d | b |
つまり、今回の問題では4人のチームから3人選んだあと残りの1人から1人選んでいると考えることができる。
したがって、
$_{4}\mathrm{C}_{3}\cdot _{1}\mathrm{C}_{1}=4$
4通りとなる。これを9人を3チームに分けて考える場合も同様に考える。
ここに注意
今回の問題設定では同じ人数のチームが存在しないため、重複は考えなくてもいい。
2.2.2. 一般化
$a_{1},a_{2}\cdots a_{n}$が全て異なり、$n=\displaystyle\sum^{n}_{i=1}a_{i}$であるとする。
$n$人を$a_{1},a_{2}\cdots a_{n}$人に分けるとき、そのチームの組み合わせは
$$\begin{align*} & \ _n\mathrm{C}_{a_{1}} \cdot _{n-a_{1}}\mathrm{C}_{a_{2}} \cdots _{n-\sum^{n-1}_{i=1}a_{i}}\mathrm{C}_{a_{n}} \notag \\ & = \prod^{n}_{i=1} \ _{n-\sum^{i-1}_{k=1} a_{k}} \mathrm{C}_{a_{i}} \end{align*}$$
となる。