【Ubuntu】ファイルの内容の表示catコマンドの使い方をわかりやすく解説



- 1. catコマンドとは
- 2. 基本的な使い方
- 2.1. ファイルの内容を表示する
- 2.2. 複数のファイルを連結して表示する
- 2.3. 新しいファイルを作成する
- 2.4. 既存のファイルに内容を追加する
- 3. オプションの活用
- 3.1. 行番号を表示する(-nオプション)
- 3.2. 空白行以外に行番号を表示する(-bオプション)
- 3.3. タブや改行を明示的に表示する
- 3.4. ファイルの内容を他のファイルにコピーする
- 3.5. 複数のファイルを連結して新しいファイルを作成する
- 4. パイプなどの活用
- 4.1. lsとcatの組み合わせ
- 4.2. 大きなファイルの一部を表示する(head、tailコマンドとの組み合わせ)
- 4.3. ファイルの内容を逆順に表示する(tacコマンド)
- 5. 注意点
- 6. 関連した記事
1. catコマンドとは
cat
は「concatenate(連結する)」の略で、ファイルの内容を表示したり、複数のファイルを連結して表示・作成したりするためのコマンドです。主な用途は以下の通りです。
- ファイルの内容を表示する
- 複数のファイルを連結して表示する
- 新しいファイルを作成する
- 既存のファイルに内容を追加する
2. 基本的な使い方
いくつかの使い方の例をwslを使いながら紹介します。まず、wslのターミナルを起動をします。
2.1. ファイルの内容を表示する
ファイルの内容を確認したいときは、cat
コマンドを使用します。次のコマンドで指定したファイルの内容がターミナルに表示されます。
cat ファイル名
例:
cat example.txt
このコマンドを実行すると、example.txt
ファイルの内容がターミナルに表示されます。
2.2. 複数のファイルを連結して表示する
cat
コマンドは、複数のファイルを連結して表示することもできます。次のコマンドで、複数のファイルの内容をまとめて表示できます。
cat ファイル1 ファイル2
例:
cat file1.txt file2.txt
このコマンドを実行すると、file1.txt
とfile2.txt
の内容が順番に連結されて表示されます。複数のファイルの内容を一度に確認したいときに便利です。
2.3. 新しいファイルを作成する
新しいファイルを作成し、内容を入力する場合は、次のようにcat
コマンドを使用します。このコマンドを実行すると、ターミナル上で入力待ち状態になります。必要な内容を入力した後、Ctrl + D
を押して入力を終了し、ファイルが作成されます。
cat > 新しいファイル名
例:
cat > newfile.txt
このコマンドを使用すると、newfile.txt
という新しいファイルが作成され、ターミナル上で直接内容を入力することができます。「Ctrl+D」で入力を終了することができます。
2.4. 既存のファイルに内容を追加する
既存のファイルに新しい内容を追記したい場合は、次のようにcat
コマンドを使用します。このコマンドを実行すると、ターミナル上で入力待ち状態になり、入力した内容が指定したファイルに追加されます。
cat >> 既存のファイル名
例:
cat >> newfile.txt
このコマンドを使うと、newfile.txt
に新しい内容が追記されます。ファイルを編集せずに追加情報を簡単に挿入できるため、ファイルの拡張に便利です。


3. オプションの活用
3.1. 行番号を表示する(-nオプション)
ファイルの内容を確認するときに、各行に行番号を付けて表示することができます。これにより、行数を確認しながら内容を見られるため、特定の行を探す際に役立ちます。
cat -n ファイル名
例:
cat -n example.txt
このコマンドを実行すると、example.txt
のすべての行に行番号が付いて表示されます。


3.2. 空白行以外に行番号を表示する(-bオプション)
空白行を除いて行番号を表示したい場合は、-b
オプションを使用します。空白行には行番号が付かないため、実際の内容がある行だけに番号が付きます。
cat -b ファイル名
例:
cat -b example.txt
このコマンドを実行すると、example.txt
内の空白行を除いた行にのみ行番号が付いて表示されます。
3.3. タブや改行を明示的に表示する
ファイルの中に含まれるタブや改行記号を可視化することも可能です。これにより、フォーマットが重要なファイルやテキストの編集時に便利です。
- タブを可視化する(-Tオプション)
タブ文字を可視化したいときは、-T
オプションを使用します。タブは^I
として表示されます。
cat -T ファイル名
- 改行を可視化する(-Eオプション)
改行文字を明示的に表示するには、-E
オプションを使用します。改行は$
記号として表示されます。
cat -E ファイル名
例:
cat -T -E example.txt
このコマンドを実行すると、example.txt
内のタブと改行がそれぞれ^I
と$
で表示され、ファイルのレイアウトやフォーマットを確認しやすくなります。

3.4. ファイルの内容を他のファイルにコピーする
ファイルの内容を別のファイルにコピーしたい場合、cat
コマンドを使用して、内容を新しいファイルに書き出すことができます。この方法を使うことで、ファイルの内容を簡単に別のファイルにコピーすることが可能です。
cat ファイル名 > コピー先のファイル名
例:
cat example.txt > copy.txt
このコマンドを実行すると、example.txt
の内容がcopy.txt
という新しいファイルにコピーされます。元のファイルには変更が加えられず、新しいファイルに内容がそのまま書き込まれます。


3.5. 複数のファイルを連結して新しいファイルを作成する
複数のファイルの内容を連結し、それを新しいファイルとして保存することができます。この操作は、大量のファイルを1つのファイルにまとめたい場合に非常に便利です。
cat ファイル1 ファイル2 > 新しいファイル名
例:
cat file1.txt file2.txt > combined.txt
このコマンドでは、file1.txt
とfile2.txt
の内容が連結され、combined.txt
という新しいファイルに保存されます。連結された内容は、新しいファイルで一続きのテキストとして表示されます。
4. パイプなどの活用
4.1. lsとcatの組み合わせ
ディレクトリのリストをファイルに保存したい場合、lsコマンドの結果をcat
で処理し、指定したファイルに出力できます。これにより、ディレクトリの内容を簡単に記録できます。
ls -l | cat > directory_list.txt
このコマンドでは、ls -l
で表示されるディレクトリの詳細なリストがdirectory_list.txt
に保存されます。これにより、ディレクトリ構成を簡単にファイルに残しておけます。
4.2. 大きなファイルの一部を表示する(head、tailコマンドとの組み合わせ)
非常に大きなファイルの全体を表示するのは、効率が悪い場合があります。そのような場合には、head
コマンドやtail
コマンドとcat
を組み合わせて、ファイルの一部だけを表示することができます。
- ファイルの先頭部分を表示するには
head
を使います。
cat ファイル名 | head -n 行数
例:
cat newfile.txt | head -n 2
このコマンドは、
example.txt
の最初の10行を表示します。
- 逆に、ファイルの末尾部分を表示するには
tail
を使います。
cat ファイル名 | tail -n 行数
例:
cat newfile.txt | tail -n 2
このコマンドは、newfile.txt
の最後の2行を表示します。
4.3. ファイルの内容を逆順に表示する(tacコマンド)
cat
の逆の動作をするコマンドがtac
です。このコマンドを使うと、ファイルの内容を逆順、つまり末尾から表示できます。データの逆順確認が必要な場合に便利です。
tac ファイル名
例:
tac newfile.txt
このコマンドを実行すると、newfile.txt
の内容が末尾から順にターミナルに表示されます。


5. 注意点
大きなファイルを一度に表示すると、ターミナルが大量のテキストで埋まってしまいます。ページ送りが可能なless
やmore
コマンドの使用を検討してください。