更新:2024/11/24

三角形の重心の証明、性質と例題について

はるか
はるか
重心は、三角形の3つの中線が交わるところ。
ふゅか
ふゅか
そうそう!重心は三角形の中で、各頂点から対辺に引いた中線の交点になるの。

1. 重心

重心は、三角形の3つの頂点からそれぞれ対辺に引いた中線の交点です。中線とは、三角形の各辺の中点を結ぶ線で、どの頂点からでも2:1の比率で中線を分ける特性を持っています。

2. 三角形の重心の性質

2.1. 中線を2:1に内分する

重心は中線を2:1に内分する。

△ABCの辺AB,BC,CAの中点をそれぞれD,E,Fとします。

次の二つの場合を考えます。

  1. AEとDCの交点をGとする場合
  2. AEとBFの交点をG’とする場合

[1]AEとDCの交点をGとする場合

DとEは中線であるので、中線連結定理より、$DE:AC=1:2$、$DE/\!/AC$が成り立つ。対頂角が等しいので、$ \angle DGE= \angle CGA$となる。一方で、平行であるときに、錯覚は等しいため、$ \angle EDG= \angle ACG$となる。したがって、二つの角が等しいので、三角形DGEと三角形CGAは相似である。相似比より、

$$AG:EG=DE:CA =2:1$$

[2]AEとBFの交点をG’とする場合

FとEは中線であるので、中線連結定理より、$FE:AB=1:2$、$FE/\!/AB$が成り立つ。対頂角が等しいので、$ \angle AG’B= \angle EG’F$となる。一方で、平行であるときに、錯覚は等しいため、$ \angle EFG’= \angle ABG’$となる。したがって、二つの角が等しいので、三角形FG’Eと三角形BG’Aは相似である。相似比より、

$$AG’:EG’=FE:AB =2:1$$

[1],[2]より、GとG’は中線AEを$2:1$に内分するので、GとG’は一致します。同様に、$CG:DG=BG:GF=2:1$になるので、重心は中線を2:1に内分することがわかる。

はるか
はるか
証明のポイントはGとG’が一致すること。

2.2. 重心の座標

座標平面上で三角形の頂点の座標を \((x_1, y_1)\), \((x_2, y_2)\), \((x_3, y_3)\) とすると、重心の座標は次のように求められます。

\[ G \left( \frac{x_1 + x_2 + x_3}{3}, \frac{y_1 + y_2 + y_3}{3} \right) \]

ふゅか
ふゅか
重心の座標ってどうやって求めるか覚えてる?
はるか
はるか
3つの頂点の座標を足して、3で割る。

2.3. 位置ベクトル

三角形の頂点 \( A, B, C \) の位置ベクトルをそれぞれ \(\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}\) とすると、重心 \( G \) の位置ベクトル \(\vec{g}\) は次のように表されます。

\[ \vec{g} = \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3} \]

2.4. 面積比

面積比は

\[ S_{\text{三角形ACG}} : S_{\text{三角形BCG}} : S_{\text{三角形ABG}}  = 1:1:1\]

【面積比】重心が三角形の面積を1:1:1に分けることの証明について

3. 重心の例題

次のような三角形が与えられているとする。$AF=144$であるとき、$KG$の長さを求めなさい。

 

Gは重心であるので、$AG:GF=2:1$となる。ABまでEKを伸ばすと、ABの中点と交わるため、その交点をMとする。したがって、中線連結定理より、

$$ME:BC=1:2$$

になる。$BC=2BF$、$ME=2KE$より、

$$ME:BC=2BF:2KE=BF:KE=1:2$$

また、

$$KG:FG=BF:KE=1:2$$

KはAFの中点になるので、$AK:KF=1:1$となる。したがって、

$$AK:KG:GF=1:\frac{1}{3}:\frac{2}{3}=3:1:2$$

$KG$の長さは

$$KG=\frac{1}{6}AB=\frac{1}{6}\cdot 144 = 24$$

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