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χ²分布とは
χ²分布の確率変数は、k個の独立した標準正規分布(平均0、分散1)の二乗和の分布です。つまり、Z₁, Z₂, ..., Zₖを独立した標準正規分布に従う確率変数とすると、χ²分布は次のように定義されます。
\[ X = Z_1^2 + Z_2^2 + \cdots + Z_k^2 \]
このXは自由度kのχ²分布に従います。
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基本特性
- 自由度 (degrees of freedom, df): χ²分布は自由度(df)というパラメータによって特徴づけられます。自由度は、観測データの数を制約条件として表します。
- 形状: 自由度が1のときは右に尖った形状をしており、分布の形状が右に広がり、常に正の値しか取りません。
χ²分布の確率密度関数(PDF)
\[
\large f(x; k) = \begin{cases}
\frac{1}{2^{\frac{k}{2}} \Gamma(\frac{k}{2})} x^{\frac{k}{2} - 1} e^{-\frac{x}{2}} & (x > 0) \\
0 & (x \leq 0)
\end{cases}
\]
ここで、
- \( x \) は非負の実数( \( x \geq 0 \) )。
- \( k \) は自由度。
- \( \Gamma \) はガンマ関数です。特に、自然数 \( n \) に対して、 \( \Gamma(n) = (n-1)! \)。
ガンマ関数
ガンマ関数 \( \Gamma(z) \) は次のように定義されます。
\[ \Gamma(z) = \int_0^\infty t^{z-1} e^{-t} \, dt \]
ガンマ関数の性質は次の記事で解説しています。
自由度k=2のときの例
例えば、自由度 \( k = 2 \) の場合、確率密度関数は次のようになります。
\[ f(x; 2) = \frac{1}{2 \Gamma(1)} x^{1-1} e^{-x/2} \]
ここで、\( \Gamma(1) = 1 \) ですので、
\[ f(x; 2) = \frac{1}{2} e^{-\frac{x}{2}} \]
これは指数分布の$\lambda=\frac{1}{2}$の確率密度関数と一致します。
プロット
自由度によって異なる形状の確率密度関数をプロットすると、χ²分布の性質がわかりやすくなります。自由度が増えるにつれて、分布の形状が右に広がります。
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