更新:2025/02/02

特性関数の意味と性質について

はるか
はるか
特性関数って何?
ふゅか
ふゅか
具体的には、確率変数 \( X \) に関して \( \varphi_X(t) = \mathbb{E}[e^{itX}] \) で定義されるの。期待値をとることで、確率分布を別の視点から見られるのよ!

1. 特性関数の定義

確率変数 \(X\) の特性関数 \(\varphi_X(t)\) は、以下の式で定義されます:

\[ \varphi_X(t) = \mathbb{E}[e^{itX}] \]

ここで、

  • \( t \) は実数(または複素数)、
  • \( i \) は虚数単位 (\( i^2 = -1 \))、
  • \( \mathbb{E} \) は期待値を表します。

確率密度関数 \( f_X(x) \) を持つ場合、特性関数は次の積分で表されます:

\[ \varphi_X(t) = \int_{-\infty}^{\infty} e^{itx} f_X(x) dx \]

2. 特性関数の性質

2.1. 期待値や分散

特性関数の微分を用いることで、確率変数のモーメント(期待値や分散など)が求められます。 例えば、1階の微分を \( t = 0 \) で評価すると期待値が得られます:

\[ \varphi_X'(0) = i\mathbb{E}[X] \]

また、2階の微分を \( t = 0 \) で評価すると、分散が得られます:

\[ \varphi_X”(0) = -\mathbb{E}[X^2] \]

2.2. 独立な確率変数の和に対する性質

確率変数 \( X \) と \( Y \) が独立ならば、それらの和 \( X + Y \) の特性関数は、個々の特性関数の積になります。

\[ \varphi_{X+Y}(t) = \varphi_X(t) \varphi_Y(t) \]

この性質は、確率分布の畳み込みと関係があります。

2.3. 特定の分布の特性関数

特定の確率分布の特性関数は、以下のようになります。

  • 正規分布 \( N(\mu, \sigma^2) \)\[ \varphi_X(t) = e^{i\mu t - \frac{1}{2} \sigma^2 t^2} \]
  • 一様分布 \( U(a, b) \)\[ \varphi_X(t) = \frac{e^{itb} - e^{ita}}{it(b - a)} \]
  • ポアソン分布 \( \text{Poisson}(\lambda) \)\[ \varphi_X(t) = e^{\lambda (e^{it} - 1)} \]

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