コーデックとは?ゆるーくわかりやすく解説



1. コーデックとは?
コーデック(codec)の語源は、「コーダー(coder)」と「デコーダー(decoder)」を組み合わせた言葉で、動画や音声、画像などのデータを圧縮したり(エンコード)、圧縮データを元に戻したり(デコード)する技術やソフトウェアのことを指します。
1.1. コーデックの役割
音声や映像ファイルは、そのままでは非常に大きなサイズになることが多く、転送や保存に多くの時間と容量が必要です。そして、コーデックを使うことで、このデータを圧縮し、容量を抑えることができます。例えば、動画や画像をSNS上にアップロードするとなった場合、ファイルサイズが大きすぎる場合があるかもしれません。コーデックを使用することで、通信量を減らして映像が滑らかに再生されるようになります。
2. コーデックの種類


コーデックは主に「ロスレス(lossless)」と「ロッシー(lossy)」の2つの方式に分類されます。
2.1. 可逆圧縮(ロスレス圧縮)
圧縮してもデータが失われない方式で、データを元の状態に完全に復元できます。例としては、FLACやALAC(Apple Lossless Audio Codec)などがあります。
2.2. 非可逆圧縮(ロッシー圧縮)
データの一部を削除することで、圧縮率を高める方式です。音声や映像の品質をある程度犠牲にする代わりに、ファイルサイズを大幅に小さくできます。MP3やH.264などが代表例です。
3. コーデックの例
コーデックには多くの種類があり、それぞれ異なる用途や特徴を持っています。以下はいくつかの代表的なコーデックです。
3.1. 画像のコーデック
3.1.1. JPEG
非可逆圧縮を使用し、写真や画像を小さなファイルサイズに圧縮します。画質を多少損なう代わりに、効率的な圧縮が可能です。
3.1.2. PNG
可逆圧縮を使用し、元の画像データを失わずに圧縮します。アルファチャンネル(透明度)もサポートしています。
3.1.3. GIF
非可逆圧縮形式で、アニメーションをサポートしています。256色に制限されていますが、軽量な画像形式としてよく使用されます。
3.1.4. WebP
Googleが開発した画像フォーマットで、非可逆・可逆両方の圧縮をサポートします。高い圧縮効率が特徴です。
3.2. 音声のコーデック
3.2.1. MP3
MP3は非可逆圧縮音声フォーマットの一つで、音楽やポッドキャストなど、広く使用されています。ファイルサイズと音質のバランスが取れています。
3.2.2. AAC
MP3の改良版として開発され、より高い音質をより小さなファイルサイズで提供します。Appleの製品で広く採用されています。
3.2.3. FLAC
可逆圧縮音声フォーマットで、音質を失わずに圧縮できます。音楽ファイルを高音質で保存するために使用されます。
3.2.4. Opus
音声通話や音楽のストリーミングに最適化されたコーデックで、さまざまなビットレートに適応し、高品質な音声を提供します。
3.3. 動画のコーデック
3.3.1. H.264
現在最も一般的な動画コーデックで、高品質な動画を比較的小さなファイルサイズで提供します。ストリーミングや動画配信で広く使用されています。
3.3.2. H.265 (HEVC)
H.264の次世代版で、同等の画質をより小さいファイルサイズで提供します。4Kや8Kの高解像度動画に適しています。
3.3.3. VP9
Googleが開発したオープンソースの動画コーデックで、YouTubeで多く使用されています。H.265と同等の圧縮率を持ちます。
3.3.4. AV1
次世代のオープンソースコーデックで、H.265やVP9よりも高い圧縮効率を誇ります。ストリーミングサービスでの採用が進んでいます。
4. コーデックの利用シーン
コーデックは私たちの日常生活の多くの場面で利用されています。たとえば、動画をストリーミングで見るとき、音楽をデバイスに保存するとき、ZoomやTeamsなどのビデオ通話を行うときなど、背後では常にコーデックが動いています。

5. ポイント
コーデックによってはデバイスやソフトウェアで再生できない場合もあるため、どのコーデックを使用するかは重要なポイントです。適切なコーデックを選ぶことで、データの互換性や品質を確保することができます。