平方完成とは?意味と方法、3つの例題について



1. 平方完成とは?
\[ ax^2 + bx + c \]
最終的には、次のような形に変形することが平方完成の目標です。
\[ a(x – h)^2 + k \]
平方完成とは、一次の項を利用して、二次方程式または二次関数の形を変形して、二次式に平方の形を作る手法です。この方法を用いると、二次方程式の解を簡単に求めることができたり、二次関数のグラフの頂点の座標を見つけたりするのが容易になります。
2. 平方完成の手順
平方完成は、以下の手順で行います。式 \( 2x^2 + 8x + 5 \) が与えられとする。
2.1. 二次の項の係数
まず、二次の項の係数が1でない場合、二次の項と一次の項を二次の項の係数でくくります。例えば、式 \( 2x^2 + 8x + 5 \) なら、
\[ 2(x^2 + 4x )+ 5 \]


2.2. xの係数を使って平方を作成
次に、一次項 \( 4x \) の係数 に着目して平方の形を作成します。今回は \( 4 \div 2 = 2 \) なので、$(x+2)^2$の形を作成することを考える。辻褄をあわせるため、定数項だけ消す必要があるので、
\[ \begin{align*} 2(x^2 + 4x )+ 5 &= 2(x^2 + 4x+4 -4)+ 5 \\ &= 2(x^2 + 4x+4 )-8+ 5 \\ &= 2(x+ 2 )^2-3 \\ \end{align*}\]
3. 平方完成の応用
平方完成は、二次方程式の解の公式に利用されています。また、二次関数のグラフを描く際に、平方完成を用いるとグラフの頂点が簡単に求められ、グラフの形や位置を把握しやすくなります。


4. 練習問題
4.1. 問題1
\[ x^2 + 6x + 7 \]
まず、一次項の係数 \( 6 \)であることから、$(x+3)^2$の形を作成すると
\[ x^2 + 6x + 9 – 9 + 7 = (x + 3)^2 – 2 \]
したがって、平方完成の結果は \( (x + 3)^2 – 2 \) です。
4.2. 問題2
\[ x^2 + 7x \]
まず、一次項の係数 \( 7 \)であることから、$\left(x+\dfrac{7}{2}\right)^2$の形を作成すると
\[ x^2 + 7x = \left(x+\dfrac{7}{2}\right)^2 -\dfrac{49}{4} \]
したがって、平方完成の結果は \( \left(x+\dfrac{7}{2}\right)^2 -\dfrac{49}{4}\) です。
4.3. 問題3
\[ 3x^2 + 7x+5 \]
二次の項と一次の項を3でくくると、
$$3\left(x^2 + \dfrac{7}{3}x \right)+5$$
まず、一次項の係数 \( \dfrac{7}{3} \)であることから、$\left(x+\dfrac{7}{6}\right)^2$の形を作成すると、
\[ \begin{align*}3\left(x^2 + \dfrac{7}{3}x \right)+5 &= 3\left(x + \dfrac{7}{6} \right)^2-3\left(\dfrac{7}{6}\right)^2+5\\ &=3\left(x + \dfrac{7}{6} \right)^2-\dfrac{49}{12}+ 5 \\ &=3\left(x + \dfrac{7}{6} \right)^2+\dfrac{11}{12}\\ \end{align*}\]