更新:2024/09/18

連続型確率変数の期待値と分散・定義・例題について

はるか
はるか
今回は連続型の確率変数の期待値と分散についてみる。

1. 期待値

期待値は、確率変数の平均値、つまり「期待される値」を表します。

1.1. 連続型確率変数の期待値

確率変数 \( X \) が連続型の場合、確率密度関数 \( f(x) \) を用いて期待値は次のように定義されます。

\[ \mathbb{E}[X] = \int_{-\infty}^{\infty} x \cdot f(x) \, dx \]

ここでも、各値 \( x \) に対して、その確率密度 \( f(x) \) を掛けたものを全て積分して足し合わせます。

はるか
はるか
連続型確率変数の場合、確率密度関数を使う
ふゅか
ふゅか
うん、連続型だと、その値に応じた期待値を積分して計算するのよ!

2. 分散

分散は、確率変数が期待値からどれだけ離れているかの平均的な尺度を示します。分散が大きいほど、データが広く散らばっていることを意味し、分散が小さいほどデータが集中していることを意味します。

はるか
はるか
分散は、期待値からどれだけ離れているか、だったよね。
ふゅか
ふゅか
そうよ!データの散らばり具合を測る指標よね。期待値からのズレを考えるわけ。
はるか
はるか
連続型の時は、やっぱり積分を使うんだね。

2.1. 分散の定義

確率変数 \( X \) の分散 \( V(X) \) は、次のように定義されます。

\[ V(X) = \mathbb{E}[(X - \mathbb{E}[X])^2] \]

2.2. 連続型確率変数の分散

確率変数 \( X \) が連続型で、確率密度関数が \( f(x) \) である場合、分散 \( V(X) \) は次のように定義されます。

\[ V(X) = \int_{-\infty}^{\infty} (x - \mathbb{E}[X])^2 \cdot f(x) \, dx \]

また、

\[ V(X) = \int_{-\infty}^{\infty} x^2 \cdot f(x) \, dx - (\mathbb{E}[X])^2 \]

も使われます。

3. 例題

3.1. 問題1: パン屋さんのクロワッサン

パン屋さんでは、毎日ランダムな個数のクロワッサンを焼きます。クロワッサンの数 \( X \) は連続型確率変数で、次の確率密度関数に従います。

\[ f(x) = \begin{cases} \frac{2}{25} x & 0 \leq x \leq 5 \\ 0 & \text{otherwise} \end{cases} \]

このパン屋さんで、ある日に焼かれるクロワッサンの個数の期待値と分散を求めなさい。

期待値 \( \mathbb{E}[X] \) は次の式で計算されます。

\[ \mathbb{E}[X] = \int_0^5 x f(x) dx = \int_0^5 x \frac{2}{25} x dx = \frac{2}{25} \int_0^5 x^2 dx \]

$\int_0^5 x^2 dx = \frac{125}{3}$より、

\[ E[X] = \frac{2}{25} \times \frac{125}{3} = \frac{250}{75} = \frac{10}{3} \approx 3.33 \]

したがって、期待値は約 \( 3.33 \) 個です。

分散 \( \text{V}(X) \) は次の式で計算されます。

\[ \text{V}(X) = E[X^2] - (E[X])^2 \] まず \( E[X^2] \) を計算します。

\[ E[X^2] = \int_0^5 x^2 f(x) dx = \int_0^5 x^2 \frac{2}{25} x dx = \frac{2}{25} \int_0^5 x^3 dx \]

$ \int_0^5 x^3 dx = \frac{625}{4} $より、

\[ E[X^2] = \frac{2}{25} \times \frac{625}{4} = \frac{1250}{100} = 12.5 \]

次に、分散を求めます。

\[ \text{Var}(X) = 12.5 - \left( \frac{10}{3} \right)^2 = 12.5 - \frac{100}{9} = \frac{25}{18} \]

3.2. 問題2: 宇宙船のエネルギー問題

宇宙探検隊の乗る宇宙船には毎日ランダムな量のエネルギーが補給されます。エネルギー量 \( Y \) は、次の確率密度関数に従います。

\[ f(y) = \lambda e^{-\lambda y}, \quad y \geq 0 \]

ここで、\( \lambda = 0.5 \) です。

この宇宙船に補給されるエネルギーの期待値と分散を求めなさい。

ふゅか
ふゅか
次は、宇宙船のエネルギーの問題ね!
はるか
はるか
指数分布か… エネルギーの期待値と分布は簡単に求まる。

指数分布における期待値は次の式で与えられます。

\[ E[Y] = \frac{1}{\lambda} \] ここで、\( \lambda = 0.5 \) なので、

\[ E[Y] = \frac{1}{0.5} = 2 \]

したがって、期待値は \( 2 \) です。

指数分布における分散は次の式で与えられます。

\[ \text{V}(Y) = \frac{1}{\lambda^2} \] ここで、\( \lambda = 0.5 \) なので、

\[ \text{V}(Y) = \frac{1}{(0.5)^2} = 4 \]

したがって、分散は \( 4 \) です。

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