連続一様分布の性質・期待値・分散・例題について

はるか
はるか
一様分布って連続と離散どっちもあるんだよ。
はるか
はるか
へー。じゃ、連続一様分布に興味がある。

1. 連続一様分布とは

連続一様分布は、ある特定の範囲 \([a, b]\) の中で、任意の値 \(x\) が発生する確率が均等であることを特徴とします。すなわち、区間内のどの部分でも発生する確率密度が等しいです。

はるか
はるか
ふーん。区間内ならどこでも確率が一緒になるのか。

1.1. 確率密度関数

連続一様分布の確率密度関数 \(f(x)\) は次のように定義されます。

\[ f(x) = \begin{cases} \frac{1}{b-a} & (a \leq x \leq b) \\ 0 & \text{otherwise} \end{cases} \]

  • \(a\) と \(b\) はそれぞれ区間の下限と上限です。
  • \(f(x)\) は \([a, b]\) 内で一定の値を持ち、区間外では0となります。

次のグラフはこの分布では、区間 [0,1] 内で一様分布であるグラフの例です。

1.2. 累積分布関数

累積分布関数 \(F(x)\) は次のように表されます。

\[ F(x) = \begin{cases} 0 & (x < a) \\ \frac{x-a}{b-a} & (a \leq x \leq b) \\ 1 & ( x > b ) \end{cases} \]

  • 累積分布関数は、ある値 \(x\) 以下である確率を表します。
  • 区間内で線形に増加し、\(x = b\) のときに1に達します。

2. 連続一様分布の期待値と分散

ふゅか
ふゅか
期待値と分散を実際に計算してみよう!

2.1. 期待値

期待値(平均値)\(\mu\) は、連続一様分布の場合、次のように計算されます。

\[ \mu = \int_{a}^{b} x \cdot \frac{1}{b-a} \, dx \]

積分定数 \(\frac{1}{b-a}\) を積分の外に出すことができます。

\[ \mu = \frac{1}{b-a} \int_{a}^{b} x \, dx \]

\[ \mu = \frac{1}{b-a} \left(\frac{b^2}{2} - \frac{a^2}{2}\right) \]

さらに簡略化します。

したがって、期待値は次のようになります。

\[ \mu = \frac{a+b}{2} \]

2.2. 分散

まず、連続一様分布の \(E[X^2]\) を計算します。

\[ E[X^2] = \int_{a}^{b} x^2 \cdot f(x) \, dx \]

ここで、連続一様分布の確率密度関数 \(f(x)\) より、

\[ E[X^2] = \frac{1}{b-a} \int_{a}^{b} x^2 \, dx \]

したがって、\(E[X^2]\) は次のようになります。

\[ E[X^2] = \frac{1}{b-a} \left(\frac{b^3}{3} - \frac{a^3}{3}\right) \]

この式をさらに整理すると、

\[ E[X^2] = \frac{b^2 + ab + a^2}{3} \]

分散 \(\sigma^2\) は次のように計算されます。

\[ \sigma^2 = E[X^2] - (E[X])^2 \]

\[ \sigma^2 = \frac{b^2 + ab + a^2}{3} - \left(\frac{a+b}{2}\right)^2 \]

したがって、分散は次のようになります。

\[ \sigma^2 = \frac{4(b^2 + ab + a^2) - 3(a^2 + 2ab + b^2)}{12} \]

分子を計算すると、

\[ \sigma^2 = \frac{4b^2 + 4ab + 4a^2 - 3a^2 - 6ab - 3b^2}{12} = \frac{(b-a)^2}{12} \]

したがって、分散は次のようになります。

\[ \sigma^2 = \frac{(b-a)^2}{12} \]

3. 連続一様分布の例題

ある製品の長さが100 cmから200 cmの間で一様に分布しているとします。この長さは連続一様分布に従います。

ふゅか
ふゅか
ある製品の長さが一様分布に従う例題だよ!
問1: この製品の長さが150 cm以上である確率を求めなさい。

150 cm以上である確率 \(P(X \geq 150)\) は、次のように計算できます。 \[ P(X \geq 150) = 1 - P(X < 150) = 1 - F(150) \] 累積分布関数 は次のようになります。 \[ F(x) = \frac{x-a}{b-a} \] したがって、 \[ F(150) = \frac{150 - 100}{200 - 100} = \frac{50}{100} = 0.5 \] したがって、\(P(X \geq 150)\) は次のようになります。 \[ P(X \geq 150) = 1 - 0.5 = 0.5 \]この製品の長さが150 cm以上である確率は50%です。

はるか
はるか
100 cmから200 cmの半分よりも上の長方形の面積って考えることもできる。
問2: 同じ製品で、その長さが120 cmから180 cmの間である確率を求めなさい。

この場合、求める確率は次のように計算できます。 \[ P(120 \leq X \leq 180) = F(180) - F(120) \] 累積分布関数 \(F(x)\) を用いると: \[ F(180) = \frac{180 - 100}{200 - 100} = \frac{80}{100} = 0.8 \] \[ F(120) = \frac{120 - 100}{200 - 100} = \frac{20}{100} = 0.2 \] したがって、 \[ P(120 \leq X \leq 180) = 0.8 - 0.2 = 0.6 \]

この製品の長さが120 cmから180 cmの間である確率は60%です。

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