デュプレックスシステムとは?ゆるーくわかりやすく解説



1. デュプレックスシステムの要点
デュプレックスシステムとは・・・
- 現用系と待機系の二つを用意
- 現用系で障害が発生した場合に、待機系に切り替える
- 待機系に切り替える方法は「ホットスタンバイ」、「ウォームスタンバイ」、「コールドスタンバイ」
- 英語だと、duplex-system。
2. デュプレックスシステムとは?
デュプレックスシステムとは、システムの信頼性を高めるために使用される構成の一つで、コンピューターシステムやネットワークシステムにおいて重要な役割を果たします。このシステムは、同じ機能を持つ2つの装置である現用系と待機系を用意し、一方が故障した場合でももう一方が継続して動作することで、システム全体の可用性を確保します。
2.1. 英語から推測すると
英語の “duplex system” という言葉から推測すると、「二重」「二つの系統」などを意味します。このため、デュプレックスシステムは 「二つの独立したシステムを用意し、一方が障害を起こしてももう一方が稼働できるようにする仕組み」 と解釈できます。
3. 待機系の切り替え
デュプレックスシステムにおいて、システムの待機系と現用系の切り替えは重要な要素です。この待機状態の種類として、「ホットスタンバイ」、「ウォームスタンバイ」、「コールドスタンバイ」の3つがあります。
3.1. ホットスタンバイ (Hot Standby)
ホットスタンバイとは、待機系の装置が現用系と同じく常に稼働している状態を指します。待機系は現用系とほぼ同じリアルタイムのデータを保持しており、故障時には即座に切り替えることが可能です。
- 切り替え速度: 高速。
- 状態: 待機装置は稼働中で、主装置とデータ同期が行われている。
- コスト: 他の方式に比べて高い(待機装置も常時稼働するため)。
- 用途: 24時間365日の稼働が求められるシステム(例: 電話交換機、銀行のオンラインシステム)。

3.2. ウォームスタンバイ (Warm Standby)
ウォームスタンバイでは、待機系は起動していますが、必要最低限のデータ同期や準備は行われています。ホットスタンバイほどではないものの、切り替えは比較的短時間で行われます。
- 切り替え速度: 中程度。
- 状態: 待機系は稼働状態。
- コスト: ホットスタンバイより低コスト。
- 用途: 多少のダウンタイムが許容されるシステム
3.3. コールドスタンバイ (Cold Standby)
コールドスタンバイは、待機系が通常は稼働しておらず、現用系が故障した際に初めて起動される方式です。切り替えに時間がかかりますが、待機中のコストは最も低いのが特徴です。
- 切り替え速度: 最も遅い。
- 状態: 待機装置は完全に停止している。
- コスト: 最も低コスト。
- 用途: ダウンタイムが許容されるシステム

4. 比較表
スタンバイ方式 | 切り替え速度 | 状態 | コスト | 主な用途 |
---|---|---|---|---|
ホットスタンバイ | 高速 | 待機装置も常時稼働 | 高い | 重要な業務システム(例: 銀行、航空管制) |
ウォームスタンバイ | 中速 | 部分稼働またはスリープ | 中程度 | ファイルサーバー、バックアップシステム |
コールドスタンバイ | 遅い | 待機系は停止 | 低い | 災害復旧用システム、コスト優先の環境 |
5. デュプレックスシステムの具体例
5.1. 銀行のオンラインバンキングシステム
金融機関では、顧客データや取引データの安全性と可用性が最優先です。デュプレックスシステムを導入することで、システム障害が発生しても取引データを安全に保ちます。
5.2. 航空管制システム
航空管制では、システムダウンが直接安全性に影響を及ぼすため、デュプレックスシステムが不可欠です。