更新:2025/03/11

EVM(Earned Value Management)とは?CPIとSPIについてゆるーくわかりやすく解説

Earned Value Management

1. 要点

EVMとは・・・

  • プロジェクトの進捗を評価する方法。
  • Earned Value Managementの略。
はるか
はるか
プロジェクトの進捗って、ただ終わった作業を数えればいいわけじゃない。
ふゅか
ふゅか
そうね!EVMなら、単に「進んだかどうか」じゃなくて、「計画通りに価値を生み出してるか」が分かるのよ!

2. EVM(Earned Value Management)

EVM(アーンド・バリュー・マネジメント)は、プロジェクトの進捗やコストを定量的に管理する手法です。プロジェクトの計画、実績、予測を数値化し、スケジュールや予算のズレを可視化することで、効率的なプロジェクト管理を実現します。

一般的に、プロジェクト管理では「どのくらい進んだか」「どのくらいコストがかかったか」を把握する必要があります。しかし、EVMを使うと、「どのくらいの価値を生み出しているか」を評価できるため、単なるスケジュール管理やコスト管理を超えた詳細な分析が可能になります。

3.  EVMの基本要素

EVMは、次の3つの主要指標を軸にプロジェクトの状況を評価します。

指標 略称 説明
計画価値 PV(Planned Value) 計画通りに進んだ場合の予算。プロジェクトのある時点で「どれだけの作業を完了しているはずか」を示す。
出来高価値 EV(Earned Value) 実際に完了した作業の価値。予定された作業のうち、実際にどれだけ完了したかを示す。
実コスト AC(Actual Cost) 実際に発生したコスト。計画に対して、どれだけの費用を消費したかを示す。

EV(出来高価値)がPV(計画価値)より高ければ、計画よりも順調に進んでいることを意味し、逆にEVがPVより低ければ、遅れが発生していることを示します。

はるか
はるか
PV、EV、AC。この3つで判断する。
ふゅか
ふゅか
計画価値(PV)が「どれくらい進んでいるはずか」、出来高価値(EV)が「実際にどれくらい進んだか」、実コスト(AC)が「どれだけお金がかかったか」ね!

4. EVMの重要な指標と計算方法

EVMでは、次の2つの指標を使ってコスト効率とスケジュール効率を評価します。

4.1. CPI(Cost Performance Index:コスト効率指数)

CPIは、コストの効率性を表す指標で、次の式で計算されます。

\[ CPI = \frac{EV}{AC} \]

  • CPI > 1:コストが効率的(予定より少ない費用でプロジェクトが進んでいる)
  • CPI < 1:コスト超過(予定より多くの費用が発生している)
  • CPI = 1:計画通りのコスト

4.2. SPI(Schedule Performance Index:スケジュール効率指数)

SPIは、スケジュールの効率性を示す指標で、次の式で計算されます。

\[ SPI = \frac{EV}{PV} \]

  • SPI > 1:予定より進捗が早い
  • SPI < 1:予定より遅れている
  • SPI = 1:計画通りの進捗

これらの指標を活用すると、プロジェクトの進捗状況やコストの健全性を数値で判断できるようになります。

5. EVMの活用例

例えば、あるプロジェクトにおいて、次のようなデータが得られたとします。

指標
PV(計画価値) 100万円
EV(出来高価値) 80万円
AC(実コスト) 90万円

この場合、CPIとSPIを計算すると、

\[ CPI = \frac{80}{90} = 0.89 \]

\[ SPI = \frac{80}{100} = 0.8 \]

  • CPI = 0.89 → コストが予定より超過している(コスト効率が悪い)
  • SPI = 0.8 → 予定より進捗が遅れている(スケジュールが遅延)

このように、EVMを使うことで、単に「コスト超過」や「遅延」といった漠然とした判断ではなく、具体的な数値を基に問題点を特定できます。

6. EVMを導入するメリット

EVMを導入することで、以下のようなメリットがあります。

6.1. ① 進捗の見える化

計画と実績を数値で比較できるため、進捗を直感的に理解できる。

6.2. ② 早期の問題発見

SPIやCPIを定期的にチェックすることで、スケジュール遅延やコスト超過を早い段階で検出し、対策を打てる。

6.3. ③ 予測が可能

過去のデータをもとに、プロジェクト完了時点のコストやスケジュールを予測できる。

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