更新:2025/02/02
「推定」と「検定」の意味と違いについて


はるか
推定って知ってる?

ふゅか
うん!母集団のパラメータをサンプルから推測することだよね。例えば、全国の平均身長を調べるとき、全員を測るのは無理だから、一部の人のデータを基に推測するって感じ!
目次
1. 推定(Estimation)とは?
推定とは、ある集団(母集団)の母数(パラメータ)を、標本(サンプル)から求めることです。例えば、全国の平均身長を調べたいが全員のデータは取れないため、一部の人のデータを基に「だいたいこのくらいだろう」と推測するのが推定です。
1.1. 推定の種類
- 点推定(Point Estimation)→ ある特性の「最もありそうな値」を1つだけ求める方法。例: サンプルの平均を使って母平均を推定する。
- 区間推定(Interval Estimation)→ ある特性の範囲を求め、その範囲に真の値が含まれる確率(信頼区間)を示す方法。例: 「95%の信頼度で、全国の平均身長は168cm〜172cmの間にある」と表現する。
2. 検定(Hypothesis Testing)とは?
はるか
次は検定。仮説が正しいかどうかをデータで判断する方法。
ふゅか
うんうん!例えば「新薬が本当に効くのか?」を確かめるときに使うよね!
検定とは、「ある仮説が正しいかどうか」を、データを使って判断する方法です。例えば、「ある新薬は本当に効果があるのか?」をデータから確認するのが検定です。
2.1. 検定の基本的な流れ
- 帰無仮説(\(H_0\))を立てる→ 「効果がない」「差がない」など、否定されるべき仮説を設定する。例: 「新薬の効果は従来薬と変わらない」
- 対立仮説(\(H_1\))を立てる→ 帰無仮説が誤っていた場合に採用する仮説。例: 「新薬の効果は従来薬より高い」
- データを分析し、有意確率(p値)を計算する→ p値とは、「帰無仮説が正しいと仮定した場合に、観測されたデータが出る確率」。
- p値と有意水準(\(\alpha\))を比較する
- 一般に、\(\alpha = 0.05\)(5%)が基準
- \( p < 0.05 \)なら「偶然では説明できない」として帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択する。
3. 推定と検定の違い
推定 | 検定 | |
---|---|---|
目的 | 母集団の母数をサンプルで推測 | 仮説が正しいかどうかを判断 |
結果の表し方 | 1つの値(点推定)または範囲(区間推定) | p値と比較して仮説を採択/棄却 |
例 | 平均身長の推定、売上の予測 | 新薬の効果の有無の判断 |
4. 実生活での例
- 推定の例
- 選挙の出口調査で「A候補の得票率は50%前後」と推測する(区間推定)
- eコマースの売上データから「来月の売上は100万円程度」と予測する(点推定)
- 検定の例
- 「新商品の売上は旧商品より本当に高いか?」をp値を使って分析する
- 「ある学校の生徒の成績が全国平均と違うか?」をt検定で調べる
5. まとめ
- 推定は「だいたいどのくらいか?」を求める
- 検定は「仮説が正しいか?」を判断する
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