更新:2024/09/16

例題で解説する指数分布とポアソン分布の違い

はるか
はるか
指数分布とポアソン分布について話すよ。
ふゅか
ふゅか
いいね!急に出てくると忘れちゃうことがあるんだよね!

1. 指数分布とポアソン分布の違い

1.1. ポアソン分布 (Poisson Distribution)

  • 確率変数: ポアソン分布の確率変数は、一定の時間または空間内で発生するイベントの回数を表します。この確率変数は離散値を取ります。
  • : 1時間内に受ける電話の本数、1日内に到着するメールの数など。


はるか
はるか
ポアソン分布は期間内の回数を扱う分布。

1.2. 指数分布 (Exponential Distribution)

はるか
はるか
次はポアソン分布の例題。ある銀行のATMに1時間あたり平均4人の顧客が訪れる場合だ。
  • 確率変数: 指数分布の確率変数は、連続するイベントの間隔(時間など)を表します。この確率変数は連続値を取ります。
  • : 次の電話がかかってくるまでの時間、次のバスが到着するまでの待ち時間など。

指数分布の性質と期待値、分散

はるか
はるか
指数分布はイベントの間隔を扱う分布。

2. 指数分布の例題

ある工場の機械は、平均して1時間に1回故障します。機械が故障するまでの時間は指数分布に従うと仮定します。

  1. 機械が次に故障するまでの時間が2時間以内である確率を求めなさい。
  2. 機械が次に故障するまでの時間が3時間以上かかる確率を求めなさい。

ふゅか
ふゅか
指数分布の例題を見てみよう。ある工場の機械が1時間に1回故障する場合の話だね。

指数分布の確率密度関数は \( f(t) = \lambda e^{-\lambda t} \) であり、累積分布関数は \( F(t) = 1 - e^{-\lambda t} \) です。ここで、故障率 \( \lambda \) は 1 時間あたり 1 回です。したがって、\( \lambda = 1 \) です。

  1. \( P(T \leq 2) = F(2) = 1 - e^{-2} \) \[ P(T \leq 2) = 1 - e^{-2} \approx 1 - 0.1353 = 0.8647 \] よって、機械が次に故障するまでの時間が2時間以内である確率は約 0.8647 です。
  2. \( P(T \geq 3) = 1 - P(T < 3) = 1 - F(3) = 1 - (1 - e^{-3}) \) \[ P(T \geq 3) = e^{-3} \approx 0.0498 \] よって、機械が次に故障するまでの時間が3時間以上かかる確率は約 0.0498 です。

3. ポアソン分布の例題

ある銀行のATMでは、1時間あたり平均4人の顧客が訪れます。顧客の訪れる数はポアソン分布に従うと仮定します。

  1. 1時間に3人の顧客が訪れる確率を求めなさい。
  2. 1時間に5人以上の顧客が訪れる確率を求めなさい。

はるか
はるか
次はポアソン分布の例題。ある銀行のATMに1時間あたり平均4人の顧客が訪れる場合だ。

ポアソン分布の確率質量関数は \( P(X = k) = \dfrac{\lambda^k e^{-\lambda}}{k!} \) です。ここで、\( \lambda = 4 \) です。

  1. 1時間に3人の顧客が訪れる確率は\( P(X = 3) \) となります。
    \[ P(X = 3) = \frac{4^3 e^{-4}}{3!} = \frac{64 e^{-4}}{6} \approx \frac{64 \times 0.0183}{6} = 0.1954 \] よって、1時間に3人の顧客が訪れる確率は約 0.1954 です。
  2. 1時間に5人以上の顧客が訪れる確率$P(X \geq 5)$を求めるには、以下のように計算します。$$P(X \geq 5) = 1 - P(X < 5) $$$$= 1 - (P(X = 0) + P(X = 1) + P(X = 2) + P(X = 3) + P(X = 4))$$

    まず、各項の確率を計算します。

    \[ P(X = 0) = \frac{4^0 e^{-4}}{0!} = e^{-4} \]

    \[ P(X = 1) = \frac{4^1 e^{-4}}{1!} = 4 e^{-4} \]

    \[ P(X = 2) = \frac{4^2 e^{-4}}{2!} = 8 e^{-4} \]

    \[ P(X = 3) = \frac{4^3 e^{-4}}{3!} = \frac{64 e^{-4}}{6} = \frac{32 e^{-4}}{3} \]

    \[ P(X = 4) = \frac{4^4 e^{-4}}{4!} = \frac{256 e^{-4}}{24} = \frac{32 e^{-4}}{3} \]

    これらを合計します。

    \[ P(X < 5) = e^{-4} (1 + 4 + 8 + \frac{32}{3} + \frac{32}{3}) \]

    \[ P(X < 5) = e^{-4} \left(1 + 4 + 8 + \frac{32}{3} + \frac{32}{3}\right) = e^{-4} \left(1 + 4 + 8 + \frac{64}{3}\right) \]

    \[ P(X < 5) = e^{-4} \left(13 + \frac{64}{3}\right) = e^{-4} \left(\frac{39}{3} + \frac{64}{3}\right) = e^{-4} \left(\frac{103}{3}\right) \]

    \[ P(X < 5) = \frac{103 e^{-4}}{3} \]

    最終的に、1時間に5人以上の顧客が訪れる確率は

    \[ P(X \geq 5) = 1 - P(X < 5) = 1 - \frac{103 e^{-4}}{3} \]

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