更新:2025/02/12

フィッシャーの3原則の意味と実験について

はるか
はるか
フィッシャーの3原則って、実験の基本。
ふゅか
ふゅか
そうそう!実験や観測研究で信頼できるデータを得るための考え方よ!「反復」「無作為化」「局所管理」の3つが大事ね!

1. フィッシャーの3原則とは?

イギリスの統計学者 Ronald A. Fisher(ロナルド・フィッシャー)が提唱した「フィッシャーの3原則」は、実験計画法(Design of Experiments)において極めて重要な位置を占めます。これらは実験や観測研究で信頼できるデータを得るための基本的な考え方であり、次の3つの柱から成り立ちます。

  1. 反復(Replication)
  2. 無作為化(Randomization)
  3. 局所管理(Local Control / Blocking)

2. 反復(Replication)

同じ実験条件を複数回繰り返すことで、ばらつきや外部要因による影響を把握し、測定の精度を高めます。統計学ではサンプルサイズが増えるほど推定量の信頼性が高まるという基本的な考えがあります。反復を行わないと、一回きりの結果に依存することになり、誤った結論を導くリスクが高まります。

3. 無作為化(Randomization)

実験でよくある問題は、潜在的なバイアス(systematic bias)です。たとえば、被験者を実験群・対照群に分けるとき、意図せず特定の特徴を持つ集団ばかりが実験群に偏ってしまうことがあります。無作為化は、こうしたバイアスを抑えるための重要な手段です。

4. 局所管理(Local Control / Blocking)

局所管理(ブロッキングとも呼ばれます)は、実験条件を「ブロック」と呼ばれる比較的均質なグループに分割して管理する手法です。土壌実験や農学実験などでは、畑ごとの土壌状態が大きく異なることがよくあります。そのままでは異なる土壌条件による差が大きく、実際の施肥効果などを正しく比較できません。そこで、類似した土壌条件の区画をひとまとめ(ブロック)にし、ブロック内での比較に注目することで、土壌の違いという大きな変動要因をブロック効果として切り離し、目指す要因(肥料の違いなど)の効果をより精密に評価できるようにします。

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