更新:2024/10/03

ベクトルと平面の方程式とは?法線ベクトルと例題について

はるか
はるか
平面のベクトル方程式を求める。

1. 平面のベクトル方程式

平面$\alpha$は次のように表すことができる。

$$\boldsymbol{p}=\boldsymbol{a}+s\boldsymbol{d_1}+t\boldsymbol{d_2}$$

$\boldsymbol{d_1}$,$\boldsymbol{d_2}$は方向ベクトルとする。

はるか
はるか
平面をベクトル形式で表現するには、平面内で自由に動ける二つの方向ベクトルが必要。

ふゅか
ふゅか
sとt は、これらの方向ベクトルに沿って平面上をどれだけ移動するか表します!

2. 法線ベクトルと平面の方程式

法線ベクトルが$\boldsymbol{n}=(a,b,c)$であるとき、平面の方程式は次のようになる。

$$ax+by+cz+d=0$$

2.1. 平面の方程式を求める

ふゅか
ふゅか
$\boldsymbol{p}=\boldsymbol{a}+s\boldsymbol{d_1}+t\boldsymbol{d_2}$から平面の方程式$ax+by+cz+d=0$を求めてみましょう!

$\boldsymbol{p}=(x,y,z)$ 平面αと垂直なベクトル(法線ベクトル)$\boldsymbol{n}=(a,b,c)$ $ \boldsymbol{a}=(x_1,y_1,z_1)$とする。

$\vec{AP}=\boldsymbol{p}-\boldsymbol{a}$、$\vec{AP}\cdot \boldsymbol{n}=0$より、

$(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{a})\cdot\boldsymbol{n}=0$

$\boldsymbol{p}-\boldsymbol{a}=(x-x_1,y-y_1,z-z_1)$より、法線ベクトルとの内積を計算すると、

$a(x-x_1)+b(y-y_1)+c(z-z_1)=0$

となる。$d=-(ax_1+by_1+cz_1)$と置くと、

$ax+by+cz+d=0$となる。

法線ベクトルは平面と直角であるので、方向ベクトルの外積で求めることができる。

3. 例題

3.1. 例題1: 法線ベクトルと平面の方程式の求め方

次の点 \( A(1, -2, 3) \)、点 \( B(2, 0, -1) \)、点 \( C(0, 1, 2) \) を通る平面の方程式を求めなさい。

点 \( A, B, C \) を通る平面の法線ベクトルを求めるために、まずベクトル \( \overrightarrow{AB} \) とベクトル \( \overrightarrow{AC} \) を求めます。

\[ \overrightarrow{AB} = (2 – 1, 0 – (-2), -1 – 3) = (1, 2, -4) \]

\[ \overrightarrow{AC} = (0 – 1, 1 – (-2), 2 – 3) = (-1, 3, -1) \]

法線ベクトルは、ベクトル \( \overrightarrow{AB} \) とベクトル \( \overrightarrow{AC} \) の外積で求めます。

\[ \overrightarrow{n} = \overrightarrow{AB} \times \overrightarrow{AC}= (10, 5, 5) \]

よって、法線ベクトルは \( \overrightarrow{n} = (10, 5, 5) \) です。平面の方程式は、点 \( A(1, -2, 3) \) を使うと、

\[ 10(x – 1) + 5(y + 2) + 5(z – 3) = 0 \]

展開して整理すると、

\[ 10x + 5y + 5z – 10 + 10 – 15 = 0 \]

\[ 10x + 5y + 5z – 15 = 0 \]

よって、平面の方程式は

\[ 10x + 5y + 5z = 15 \]

です。

3.2. 例題2

法線ベクトルが \( \overrightarrow{n} = (2, -1, 4) \) で、点 \( P(3, -1, 2) \) を通る平面の方程式を求めなさい。また、点 \( Q(1, 2, -1) \) からこの平面までの距離を求めなさい。

点 \( P(3, -1, 2) \) を使うと、

\[ 2(x – 3) – 1(y + 1) + 4(z – 2) = 0 \]

展開して整理すると、

\[ 2x – 6 – y – 1 + 4z – 8 = 0 \]

\[ 2x – y + 4z – 15 = 0 \]

よって、平面の方程式は

\[ 2x – y + 4z = 15 \]

平面の方程式が \( 2x – y + 4z – 15 = 0 \) のとき、点 \( (x_1, y_1, z_1) \) から平面までの距離 \( d \) は次の公式で求められます。

\[ d = \frac{|ax_1 + by_1 + cz_1 + d|}{\sqrt{a^2 + b^2 + c^2}} \]

したがって、

$$\begin{align*} d &= \frac{|2 \cdot 1 – 1 \cdot 2 + 4 \cdot (-1) – 15|}{\sqrt{2^2 + (-1)^2 + 4^2}} \\ &= \frac{|2 – 2 – 4 – 15|}{\sqrt{4 + 1 + 16}} \\ &= \frac{|-19|}{\sqrt{21}} \\ &= \frac{19}{\sqrt{21}} \\ &= \frac{19\sqrt{21}}{21} \end{align*}$$

よって、点 \( Q(1, 2, -1) \) から平面までの距離は \( \frac{19\sqrt{21}}{21} \) です。

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