更新:2024/11/08
関数列とは?6通りの具体例とグラフについて


ふゅか
関数列って、関数が順番に並んだものなんだね!つまり、数列みたいなものだけど、数の代わりに関数を使ってる感じ?

はるか
そう。数列が数の列なら、関数列は関数の列。簡単。
目次
- 1. 関数列とは
- 2. 具体例1:べき関数の列
- 2.1. 関数列
- 2.2. $n$ の値ごとの変化
- 2.3. グラフのイメージ
- 3. 具体例2:三角関数を用いた関数列
- 3.1. 関数列
- 3.2. $n$ の値ごとの変化
- 3.3. グラフのイメージ
- 4. 具体例3:指数関数を用いた関数列
- 4.1. 関数列
- 4.2. $n$ の値ごとの変化
- 4.3. グラフのイメージ
- 5. 具体例4:一次関数の関数列
- 5.1. 関数列
- 5.2. $n$ の値ごとの変化
- 5.3. グラフのイメージ
- 6. 具体例5:符号を持つ関数列
- 6.1. 関数列
- 6.2. $n$ の値ごとの変化
- 6.3. グラフのイメージ
- 7. 具体例6:階段関数の列
- 7.1. 関数列
- 7.2. $n$ の値ごとの変化
- 7.3. グラフのイメージ
1. 関数列とは
まず、数列について考えてみましょう。数列とは、数が順番に並んだものです。同様に、関数列は関数が順番に並んだものを指します。形式的には、ある区間Dにおける関数列 $\{ f_n(x) \}$ は、自然数 $n$ に対して定義された関数 $f_n(x)$ の集まりです。ここで、各 $f_n(x)$ は同じ定義域Dにおける関数です。
2. 具体例1:べき関数の列

ふゅか
なるほど!じゃあ例えば、べき関数の列とかってどんな感じになるの?

はるか
例えば、$f_n(x) = x^n$。$n$ が変わると形も変わる。$n=1$ なら直線、$n=2$ なら放物線。
2.1. 関数列
$$ f_n(x) = x^n $$
2.2. $n$ の値ごとの変化
この関数列では、$x$ の値によって関数の形が変わります。$x$ の範囲は $0 \leq x \leq 1$ とします。
- $n = 1$ のとき:$f_1(x) = x^1 = x$。これは原点を通る直線です。
- $n = 2$ のとき:$f_2(x) = x^2$。放物線になり、$x$ が $0$ に近いときは値が小さく、$x$ が $1$ に近いときは値が大きくなります。
- $n = 3$ のとき:$f_3(x) = x^3$。原点を通る3次関数になります。
2.3. グラフのイメージ
3. 具体例2:三角関数を用いた関数列

ふゅか
三角関数を使った関数列も面白いね!$\sin(nx)$ みたいに $n$ が増えると、波がどんどん細かくなるんだね。

はるか
そう。$n=1$ のときは普通のサイン波、$n=2$ で波が倍になる。
3.1. 関数列
$$ f_n(x) = \sin(n x) $$
3.2. $n$ の値ごとの変化
ここでは、$x$ の範囲を $0 \leq x \leq 2\pi$ とします。
- $n = 1$ のとき:$f_1(x) = \sin(x)$。通常のサイン波です。
- $n = 2$ のとき:$f_2(x) = \sin(2x)$。周期が半分になり、波が倍になります。
- $n = 3$ のとき:$f_3(x) = \sin(3x)$。さらに波の数が倍に増えます。
3.3. グラフのイメージ
4. 具体例3:指数関数を用いた関数列

ふゅか
次は指数関数の列だね!$f_n(x) = e^{-nx}$ って、どんどん速く減衰するのがわかるね。

はるか
うん、$n$ が大きくなるほど減衰が速くなる。$n=1$ ならゆるやか、$n=3$ ならすぐにゼロに近づく。

ふゅか
確かに、グラフで見ると違いがはっきりわかるね!
4.1. 関数列
$$ f_n(x) = e^{-n x} $$
4.2. $n$ の値ごとの変化
$x \geq 0$ の範囲で考えます。
- $n = 1$ のとき:$f_1(x) = e^{-x}$。ゆるやかに減衰します。
- $n = 2$ のとき:$f_2(x) = e^{-2x}$。減衰が速くなります。
- $n = 3$ のとき:$f_3(x) = e^{-3x}$。さらに速く減衰します。
4.3. グラフのイメージ
5. 具体例4:一次関数の関数列
5.1. 関数列
$$ f_n(x) = \begin{cases} n x & (0 \leq x \leq \frac{1}{n}) \\ 1 & \left( \frac{1}{n} < x \leq 1 \right) \end{cases} $$
5.2. $n$ の値ごとの変化
- $n = 1$ のとき:$0 \leq x \leq 1$ で $f_1(x) = x$。直線です。
- $n = 2$ のとき:$0 \leq x \leq \frac{1}{2}$ で $f_2(x) = 2x$。$x = \frac{1}{2}$ まで直線で増加し、その後は $1$。
- $n = 3$ のとき:$0 \leq x \leq \frac{1}{3}$ で $f_3(x) = 3x$。$x = \frac{1}{3}$ まで増加。
5.3. グラフのイメージ
6. 具体例5:符号を持つ関数列
6.1. 関数列
$$ f_n(x) = (-1)^n \cdot x $$
6.2. $n$ の値ごとの変化
- $n = 1$ のとき:$f_1(x) = -x$。原点を通る右下がりの直線。
- $n = 2$ のとき:$f_2(x) = x$。原点を通る右上がりの直線。
- $n = 3$ のとき:$f_3(x) = -x$。再び右下がり。
6.3. グラフのイメージ

はるか
グラフが重なるから、太さを少し変えた。
7. 具体例6:階段関数の列
7.1. 関数列
$$ f_n(x) = \left\lfloor n x \right\rfloor $$
($\left\lfloor \cdot \right\rfloor$ は床関数で、与えられた数以下の最大の整数を返します。)
7.2. $n$ の値ごとの変化
$x$ の範囲は $0 \leq x \leq 1$ とします。
- $n = 1$ のとき:$f_1(x) = \left\lfloor x \right\rfloor$。$x$ が $0$ から $1$ 未満で $0$、$x = 1$ で $1$。
- $n = 2$ のとき:$x$ が $0$ から $0.5$ 未満で $0$、$0.5$ から $1$ 未満で $1$。
- $n = 3$ のとき:$x$ が $0$ から約 $0.333$ 未満で $0$、次の区間で $1$、さらに次で $2$。
7.3. グラフのイメージ
PR