PR
更新:2024/12/22

群の基本:まずは3つの定義を抑えましょう

1. 群とは?

集合GGと演算*について以下の3つの条件を満たした(G,)(G,*)を群といいます。

1.1. 単位元eの存在

集合GGの演算*に関して特別な要素が存在し、それを「単位元e」と呼びます。
単位元eは任意のgGg \in Gに対して、eg=ge=ge * g = g * e = gが成り立つ必要があります。

1.2. 演算*で逆元が存在する

集合GGの任意の要素ggに対して、ggの「逆元」と呼ばれる要素が集合内に存在します。
元の要素と組み合わせると単位元eeを生成する要素です。
つまり、任意のgGg \in Gに対して、ある要素h∈Gが存在し、gh=hg=eg * h = h * g = eが成り立つ必要があります。

1.3. 演算*で結合法則が成り立つ

任意のa,b,cGa, b, c \in Gに対して、(ab)c=a(bc)(a * b) * c = a * (b * c)が常に成り立つ必要があります。

2. 2の剰余類で確認する

Z/2ZZ/2Z22で割った余りの剰余類の群であるとします。

Z/2Z={0,1}Z/2Z=\lbrace 0,1 \rbrace

(Z/2Z,+)(Z/2Z,+)について群の条件を満たすか確認してみましょう。

2.1. 単位元の存在

Z/2ZZ/2Zにおける演算は加法によって定義されます。
この群における単位元は00です。

0+1=10+1=1

0+0=00+0=0

が成り立つからです。

2.2. 逆元の存在

Z/2ZZ/2Zの各元に対して逆元が存在します。

1の逆元は1(1+1=0)
0の逆元は0(0+0=0)

であり、すべての要素に対して逆元が存在します。

2.3. 結合法則

加法は結合法則を満たします。

任意のa,b,cZ/2Za, b, c \in Z/2Zに対して、(a+b)+c=a+(b+c)(a + b) + c = a + (b + c)が成り立ちます。(足し算なので簡単に確認できる)

以上のことから、Z/2ZZ/2Zが群であることがわかります。