更新:2024/09/03

調和級数の定義・性質・オイラー定数について

はるか
はるか
調和級数って知ってる?
ふゅか
ふゅか
あ、もちろん!1 + 1/2 + 1/3 + … って無限に足していくやつね!

1. 調和級数とは

調和級数は、以下のように定義されます。

\[ \lim_{n \to \infty }\sum_{k=1}^{n} \frac{1}{k} = 1 + \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \dots  \]

はるか
はるか
調和級数は、無限に続く分数の和だよ。式はこんな感じ。
ふゅか
ふゅか
1 + 1/2 + 1/3 + … って続くんだね。すごいシンプル。

2. 調和級数の性質

2.1. オイラー・マスケローニ定数

オイラー・マスケローニ定数$\gamma $は次のように定義されます。

\[ \gamma = \lim_{n \to \infty} \left( \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{k} - \ln n \right) \]

値は約 \( \gamma \approx 0.57721 \) です。調和級数の部分和の増加が対数的に増加することを示している。

ふゅか
ふゅか
そして、調和級数を語る上で欠かせないのがオイラー・マスケローニ定数ね!
はるか
はるか
うん、部分和と対数との差が定数に近づく。それがオイラー定数。値は約0.57721だよ。

2.2. 調和級数が発散する証明1(面積)

調和級数は発散する。

図より、面積の大きさを比較した不等式を立てると次のようになる。

$$\int^{n+1}_1 \frac{1}{x}\leq\sum^{n}_{k=1}\frac{1}{k}$$

$$\therefore\log(n+1)\leq\sum^{n}_{k=1}\frac{1}{k}$$

はるか
はるか
青色の部分の面積が調和級数の部分和になっていることに着目。

したがって、$n\to\infty$とすると、左辺が発散するため、調和級数も発散する。

2.3. 調和級数が発散する証明2 (マクローリン展開を利用)

マクローリン展開の由来の不等式$e^x\geq x +1$を利用して調和級数が発散することを証明します。まず、調和級数の部分和を次のように定義します。

\[ H_n = \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{k} \]

次に、与えられた式を基にして、調和級数の部分和が対数関数で下から抑えられることを示します。与えられた式を整理すると、

\[ \exp\left(H_n\right) =\exp\left(\sum_{k=1}^{n} \frac{1}{k}\right) = \exp(1) \exp\left(\frac{1}{2}\right) \exp\left(\frac{1}{3}\right) \cdots \exp\left(\frac{1}{n}\right) \]

\[ = \prod_{k=1}^{n} \exp\left(\frac{1}{k}\right) \]

\[ \geq \prod_{k=1}^{n} \left(1 + \frac{1}{k}\right) \]

\[ = \left(1 + \frac{1}{1}\right) \left(1 + \frac{1}{2}\right) \left(1 + \frac{1}{3}\right) \cdots \left(1 + \frac{1}{n}\right) \]

\[ = 2 \frac{3}{2}\frac{4}{3}\dots\frac{n+1}{n}=n+1 \]

したがって、

\[ \exp(H_n) \geq n + 1 \]

ここで、両辺の対数を取ると、

\[ H_n \geq \log(n + 1) \]

したがって、$n\to\infty$とすると、右辺が発散するため、調和級数も発散する。

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