更新:2024/11/27

ヒット率とは?ゆるーくわかりやすく解説

はるか
はるか
ヒット率。キャッシュメモリにデータが見つかる割合。
ふゅか
ふゅか
それがどれだけコンピュータの速度に影響するかも面白いポイントだよね!

1. ヒット率(Hit Ratio)とは?

ヒット率(Hit Ratio)とは、コンピュータのキャッシュメモリで、必要なデータが直接見つかる確率または割合を指します。キャッシュメモリは、CPUがデータを素早く利用するために用意された高速なメモリです。

ふゅか
ふゅか
キャッシュメモリを使う理由だけど、CPUがメインメモリにアクセスするよりずっと早いのがポイントよね!
はるか
はるか
でも、すべてのデータをキャッシュメモリで使えない。容量が小さいから。

2. ヒット率の基本的な考え方

キャッシュメモリは、CPUがデータを扱う際に、まずはじめにデータがキャッシュ内にあるかどうかを確認します。この際の結果は次の2つに分かれます。

2.1. ヒット(Hit)

必要なデータがキャッシュメモリ内に存在する場合。

2.2. ミス(Miss)

必要なデータがキャッシュメモリ内に存在しない場合。この場合、CPUメインメモリなど、より低速なデバイスからデータを取得する必要があります。

3. ヒット率の計算方法

ヒット率は、次の式で計算されます。

$$\text{ヒット率} = \frac{\text{キャッシュ内で見つかったデータ数}}{\text{全データアクセス数}}$$

例えば、100回データアクセスを行い、そのうち80回キャッシュでデータが見つかった場合、ヒット率は次のようになります:

$$\text{ヒット率} = \frac{80}{100} = 0.8 = 80%$$

4. ヒット率と実行アクセス時間

4.1. 実行アクセス時間

実行アクセス時間(Effective Access Time, EAT)とは、コンピュータシステムにおいて、必要なデータにアクセスし、そのデータを取得するのにかかる平均的な時間(期待値を指します。この指標は、キャッシュメモリメインメモリを持つシステムのパフォーマンスを評価する際に非常に重要です。

はるか
はるか
ヒット率から実行アクセス時間を計算できる。

4.2. 実行アクセス時間の計算式

実行アクセス時間は、次の式で表されます。

$$\text{実行アクセス時間}=(\text{ヒット率} \times \text{キャッシュのアクセス時間}) + (\text{キャッシュのミス率} \times \text{メインメモリのアクセス時間})$$

ここで、

  • ヒット率 = データがキャッシュ内に見つかる確率
  • キャッシュのミス率 (NFP)= 1−ヒット率
  • キャッシュのアクセス時間 = キャッシュメモリの平均応答時間
  • メインメモリのアクセス時間 = メインメモリからデータを取得する平均時間

4.3. 計算例

例えば、以下の条件を考えます。

  • キャッシュのアクセス時間:10ナノ秒
  • メインメモリのアクセス時間:100ナノ秒
  • キャッシュのヒット率:90%(0.9)

計算すると、

$$\text{実行アクセス時間} = (0.9 \times 10) + (0.1 \times 100)= 9 + 10 = 19 \text{ナノ秒}$$

この場合、キャッシュがない場合(100ナノ秒)に比べ、実行アクセス時間が大幅に短縮されていることがわかります。

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