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更新:2024/10/18

【図解】ばねとフックの法則F=-kxの意味と単位、自然長について

はるか
はるか
フックの法則か…。要は、ばねの力って変位に比例する。だから、力を加えると、ばねはその分だけ伸びたり縮んだりする。
ふゅか
ふゅか
そうそう!でも、面白いのは、その力が常に反対方向に働くことよね♪ 例えば、ばねを引っ張ると、ばねは元に戻ろうとして逆に引っ張り返すの!

1. フックの法則

皆さんは、ばねを引っ張ったり押し縮めたりしたことがありますか?そのとき、ばねが元の形に戻ろうとする力を感じたでしょう。この現象を説明するのが「フックの法則」です。

フックの法則は、弾性体(ばねやゴムなど)が変形したとき、その変形量に比例して元に戻ろうとする力(復元力)が生じることを示しています。数式で表すと次のようになります。

\[ F = -kx \]

ここで、

  • \( F \) はバネや弾性体にかかる力(弾性力)
  • \( k \) はバネ定数
  • \( x \) はバネの変位(バネの自然長からの伸びや縮みの量)

1.1. 力のイメージ

図のように、ばねを手で引っ張ると、力 \(F\) が加わります。このとき、ばねの自然長からの伸びた距離を \(x\) とします。

このとき作用反作用の法則から、ばねにも力Fがかかる。

1.2. なぜマイナス

フックの法則は$F=-kx$でなく$F=kx$と説明される場合があります。これは、向きを考えずにスカラーのみを考えているからです。では、なぜベクトル(向きと力)を考えるとマイナスになるのか考えてみましょう。

先ほど説明したように、作用反作用の法則によって、ばねに力 \(F\) が働いています。これに基づき、次の2つのケースが考えられます。自然長の位置をOとしてx軸上のばねにかかる力と変位xを考えます。

力と変位はベクトルであり、方向も重要な要素です。つまり、ばねが伸びる場合と縮む場合で力の符号が変わります。

1.2.1. 伸びるケース

ばねが伸びている場合、変位は \(x\) 軸と同じ方向であり、力 \(F\) はその反対方向に働きます。よって、次の式が成り立ちます。

\[ -F = kx \]

\[ F = -kx \]

1.2.2. 縮むケース

ばねが縮む場合は、力 \(F\) が \(x\) 軸と同じ方向に働き、変位はその逆方向に進みます。この場合の式は次のようになります。

\[ F = k(-x) \]

\[ F = -kx \]

どちらのケースでも、フックの法則 \(F = -kx\) に従い、力 \(F\) と変位 \(x\) は常に反対方向であることが示されています。

1.3. ばね定数とは?

ばね定数 \( k \) は、そのばねの硬さを表す値です。\( k \) の値が大きいほどばねは硬くなり、引っ張っても伸び縮みがしにくくなります。逆に、\( k \) の値が小さいとばねは柔らかくなり、少ない力で大きく伸び縮みするようになります。

式で考えてみると、フックの法則 \( F = -kx \) を変形することで、変位 \( x \) は次のように表せます。

\[ x = -\frac{F}{k} \]

この式からわかるように、力 \( F \) が一定であれば、ばね定数 \( k \) が大きいほど変位 \( x \) は小さくなり、ばねがあまり伸び縮みしないことがわかります。反対に、\( k \) が小さいと、ばねは大きく伸び縮みしやすくなります。]

はるか
はるか
ばね定数ってどういう単位?
ふゅか
ふゅか
ばね定数 \( k \) は、ばねの硬さを表すの!硬いばねほど大きな力が必要だから、\( k \) の値が大きくなるのよ。逆に柔らかいばねは小さな力でも伸びやすくて、\( k \) の値は小さくなるんだ♪

1.4. 単位

ばね定数以外の単位は、

  • \( F \) は力で、単位はニュートン (N) です。
  • \( x \) はばねの変位で、単位はメートル (m) です。

したがって、$k=\frac{F}{x}$より、ばね定数 \( k \) の単位は次のように表されます。

\[  \frac{\text{ニュートン (N)}}{\text{メートル (m)}} = \text{N/m} \]

これにより、ばね定数の単位は ニュートン毎メートル (N/m) となります。この単位は、ばねを1メートル伸ばすために必要な力を表します。

運動方程式より、ニュートンの単位は$\text{kg} \cdot \text{m/s}^2$であるので、

\[ \frac{1 \, \text{N}}{1 \, \text{m}} = \frac{1 \, \text{kg} \cdot \text{m/s}^2}{\text{m}} \]

これにより、ばね定数 \( k \) の単位は次のようになります。

\[ \text{kg/s}^2 \]

 

2. 日常生活での例

ふゅか
ふゅか
日常生活でも、フックの法則はいろんなところで活躍してるわ!例えば体重計!
はるか
はるか
体重計か…。他にも、時計のゼンマイとかもそうだよね。ばねの力を利用して時間を測るのは、なかなか面白い仕組みだ。

2.1. アナログなタイプの体重計

体重を測るとき、ばねが縮みます。この縮み量から体重を計算しています。

2.2. 自動車のサスペンション

路面の凸凹を吸収するために、ばねが使われています。

2.3. 時計のゼンマイ

ばねの弾性を利用して動力を生み出しています。

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