ICMP(Internet Control Message Protocol)とは?ゆるーくわかりやすく解説

1. ICMPの要点
ICMPとは・・・
- 通信の状態を確認するためのプロトコル
- Internet Control Message Protocolの略
2. ICMPとは?
ICMP(Internet Control Message Protocol、インターネット制御メッセージプロトコル)は、インターネットやネットワーク通信において、データの送受信に問題がないかを確認するために使われるネットワーク層のプロトコルです。ICMP自体はデータ通信の実行には関与せず、主に通信の状態を監視したり、問題を通知したりする役割を担っています。
例えば、インターネットを使ってデータを送信したときに、途中でエラーが発生した場合、そのエラーを発見し原因を特定するためにICMPが利用されます。
2.1. 英語から推測すると
“Internet Control Message Protocol” を直訳すると、「インターネット制御メッセージプロトコル」となります。
- Internet: インターネット
- Control: 制御
- Message: メッセージ
- Protocol: プロトコル
この名称は、インターネット上のデバイス間でエラー通知や診断情報をやり取りする通信手順を表しています。
3. ICMPの役割
ICMPの主な役割は次の通りです:
3.1. エラーメッセージの通知
データが正しく届かなかった場合や、経路に問題がある場合、ICMPはエラーの種類や状況を通知します。たとえば、送信先が応答できない場合にエラーメッセージを送ります。
3.2. ネットワーク状態の確認
ICMPを利用すると、ネットワークが正常に動作しているかを確認できます。これにより、通信のトラブルシューティングが容易になります。
4. ICMPのエラーメッセージ
ICMPは、通信に失敗した際にエラーメッセージを送ります。主なエラーの種類には以下のようなものがあります。
- Destination Unreachable(送信先到達不可)
送信先が見つからない場合や、通信が遮断されている場合に通知されます。 - Time Exceeded(タイムアウト)
データの送信時間が経過しても応答がない場合に発生します。 - Redirect(経路変更の指示)
最適な通信経路が変更された場合に送られる通知です。
5. ICMPのコマンド




5.1. Ping
PingはICMPを利用して通信相手のデバイスが応答可能かを確認するためのコマンドです。送信側はICMPの「エコーリクエスト」を送信し、受信側は「エコーレスポンス」を返します。これにより、通信経路の確認や応答速度(ラウンドトリップタイム)の測定が可能です。
- 用途例:
- サーバーやデバイスが稼働しているか確認
- ネットワークの遅延を測定
5.2. Traceroute
トレーサウトは、ICMPを使ってデータが送信先に到達するまでの経路を調べるツールです。途中で通過するルーターの情報を取得することで、通信障害がどこで発生しているのかを特定できます。
- 用途例:
- 通信経路の問題を解析
- ネットワークのボトルネックを特定
6. ICMPの仕組み
ICMPは、IP(インターネットプロトコル)に依存して動作します。つまり、ICMPメッセージはIPパケットに含まれる形で送信されます。これにより、ICMPメッセージは通常のデータ通信と同じルートを通過します。
7. ICMPメッセージの構成
ICMPメッセージは、次の要素から構成されています。
- タイプ・・・メッセージの種類を表します(例:エコーリクエストはタイプ8、エコーレスポンスはタイプ0)。
- コード・・・メッセージタイプの詳細な情報を表します。
- チェックサム・・・エラーかどうかを確認するための仕組みです。
- データ
8. 注意点:ICMPとセキュリティ
ICMPは便利なプロトコルですが、悪意のある攻撃にも利用される場合があります。たとえば、ICMP Flood攻撃(Ping Flood)はICMPを使ってサーバーを過負荷にする攻撃の一種です。そのため、必要に応じてICMPを制限するセキュリティ対策が求められる場合があります。