更新:2025/02/03

確率の独立の意味と具体例について

はるか
はるか
確率の独立…事象の影響がないこと。
ふゅか
ふゅか
そう!例えば、サイコロを振るのとコインを投げるのは関係ないから、どっちがどうなっても確率は変わらないってことよね!

1. 確率の独立

確率の独立とは、2つの事象が互いに影響を与えず、一方の発生がもう一方の発生確率に影響を及ぼさないことを指します。

1.1. 確率の独立の定義

2つの事象 A A B B 独立であるとは、以下の条件が成り立つときに言います。

P(AB)=P(A)P(B) P(A \cap B) = P(A) P(B)

ここで、

  • P(A) P(A) は事象 A A が起こる確率
  • P(B) P(B) は事象 B B が起こる確率
  • P(AB) P(A \cap B) は事象 A A B B が同時に起こる確率

この関係が成り立つとき、A A の発生が B B の確率に影響を与えず、逆もまた然りであるため、「独立である」と言えます。

2. 条件付き確率と独立

条件付き確率独立の関係について説明します。

2.1. 条件付き確率とは?

条件付き確率とは、ある事象 B B が起こったときに、別の事象 A A が起こる確率のことです。

P(AB)=P(AB)P(B) P(A | B) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)}

ここで、

  • P(AB) P(A | B) は、事象 B B が起こったときの A A の確率
  • P(AB) P(A \cap B) は、A A B B の両方が起こる確率
  • P(B) P(B) は、事象 B B の確率(ただし P(B)>0 P(B) > 0

つまり、「B B が起こった」という条件のもとでの A A の確率を求める式です。

2.2. 確率の独立との関係

2つの事象 A A B B 独立であるとは、

P(AB)=P(A)P(B) P(A \cap B) = P(A) P(B)

が成り立つことを意味しました。

この式を条件付き確率の定義に代入すると、

P(AB)=P(AB)P(B)=P(A)P(B)P(B)=P(A) P(A | B) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)} = \frac{P(A) P(B)}{P(B)} = P(A)

つまり、独立な事象では「B B が起こったときの A A の確率」は「無条件の A A の確率」と同じになることが分かります。

同様に、P(BA) P(B | A) についても、

P(BA)=P(AB)P(A)=P(A)P(B)P(A)=P(B) P(B | A) = \frac{P(A \cap B)}{P(A)} = \frac{P(A) P(B)}{P(A)} = P(B)

となり、独立な場合は「A A が起こったときの B B の確率」も変化しません。

独立な事象 A A B B に対しては、

P(AB)=P(A),P(BA)=P(B) P(A | B) = P(A), \quad P(B | A) = P(B)

つまり、一方の事象が発生しても、もう一方の確率には影響しないことを示しています。

3. 具体例

3.1. 例1:サイコロとコイン

  • サイコロを振って「1」が出る事象 A A
  • コインを投げて「表」が出る事象 B B

これらは独立なので、

P(A)=16,P(B)=12 P(A) = \frac{1}{6}, \quad P(B) = \frac{1}{2}

また、

P(AB)=P(A)=16,P(BA)=P(B)=12 P(A | B) = P(A) = \frac{1}{6}, \quad P(B | A) = P(B) = \frac{1}{2}

コインが表であっても、サイコロの確率は変わらないので、独立性が確認できます。

3.2. 例2:トランプの2枚引き(独立でない場合)

  • 52枚のトランプから最初にハートを引く事象 A A
  • 2枚目にハートを引く事象 B B

1枚目にハートを引く確率

トランプ52枚のうち、ハートは13枚なので、最初にハートを引く確率は

P(A)=1352=14 P(A) = \frac{13}{52} = \frac{1}{4}

1枚目にハートを引いた場合の2枚目のハートの確率

1枚目にハートを引くと、デッキの残りは51枚になり、ハートは12枚になります。そのため、2枚目にハートを引く確率は

P(BA)=1251 P(B | A) = \frac{12}{51}

条件付き確率の定義式を使って計算すると、P(BA) P(B | A)

P(BA)=1352×12511352=1251 P(B | A) = \frac{\frac{13}{52}\times \frac{12}{51}}{\frac{13}{52}} = \frac{12}{51}

1枚目に関係なく2枚目にハートを引く確率(事前確率)

どのカードを引く可能性も等しいため、2枚目にハートを引く確率 P(B) P(B)

P(B)=1352=14 P(B) = \frac{13}{52} = \frac{1}{4}

独立性の確認

事象 A A B B が独立ならば、

P(BA)=P(B) P(B | A) = P(B)

しかし、

P(BA)=1251  P(B | A) = \frac{12}{51} 

P(B)=1352  P(B) = \frac{13}{52} 

これらは等しくないので、事象 A A (1枚目にハートを引く)と B B (2枚目にハートを引く)は 独立ではない ことが確認できます。

PR