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更新:2024/11/03

左辺ー右辺と不等式の証明の意味と例題について

ふゅか
ふゅか
左辺 – 右辺って面白いアプローチね!
はるか
はるか
そう。差をとって、正負を確認する。これで証明が進められる。

1. 不等式の証明: 左辺 – 右辺のアプローチ

不等式の証明において、左辺と右辺の大小関係を示すための一つの有力な方法が、「左辺 – 右辺」という形で表現し、その結果が正であるか負であるかを確認することです。

1.1. 左辺 – 右辺のアイデア

不等式を証明する際、「左辺 – 右辺」の形で式を整理してみます。この結果が以下のいずれかであることを示すことで、不等式の成立を確認できます。

  • \( 左辺 – 右辺 \geq 0 \) → 左辺が右辺以上であることを意味します。
  • \( 左辺 – 右辺 \leq 0 \) → 右辺が左辺以上であることを意味します。

2. 不等式の証明の例題

2.1. 例題1: 基本的な不等式の証明

xを実数とする。次の不等式を証明しなさい。

\[ (3x + 2)^2 \geq 12x \]

まず左辺と右辺の差を考えます。

\[\begin{align*} (3x + 2)^2 – 12x &= 9x^2 + 12x + 4 – 12x \\ &= 9x^2 + 4 \\ &\geq 0 \end{align*}\]

よって、不等式 \((3x + 2)^2 \geq 12x\) は任意の \(x\) に対して成り立ちます。

2.2. 例題2:x,y,zに対する不等式

$x,y,z$を実数とする。次の不等式を証明しなさい。

\[ (x+y+z)^2 \geq xy+yz+zx \]

$$\begin{align*} &(x + y + z)^2 – (xy + yz + zx) \\ &= x^2 + y^2 + z^2 + 2xy + 2yz + 2zx – xy – yz – zx \\ &= x^2 + y^2 + z^2 + xy + yz + zx \end{align*}$$

ここで、左辺は次のように変形できます。

$$\begin{align*} x^2 + y^2 + z^2 + xy + yz + zx &= \frac{1}{2}(2x^2 + 2y^2 + 2z^2 + 2xy + 2yz + 2zx) \\ &= \frac{1}{2}(x^2 + 2xy + y^2 + y^2 + 2yz + z^2 + z^2 + 2zx + x^2) \\ &= \frac{1}{2}\{(x+y)^2+(y+z)^2+(z+x)^2\} \end{align*}$$

この式は、3つの平方の和の形になっているため、常に非負です。したがって、不等式

$$(x + y + z)^2 \geq xy + yz + zx$$

は任意の \(x, y, z\) に対して成り立ちます。

はるか
はるか
まず差を計算。展開して整理すると、平方の和の形になる。

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