1. 三角関数の積分の公式
まずは三角関数の基本的な積分の形で、よく利用される公式です。Cは積分定数とします。
∫sinxdx=−cosx+C
∫cosxdx=sinx+C
∫tanxdx=−log∣cosx∣+C
∫cos2xdx=tanx+C
∫sin2xdx=−tanx1+C
さらに、三角関数の積に関する積分公式も存在します。
∫−ππsin(mx)sin(nx)dx={0π(m=n)(m=n)
m と n が異なる場合、積分結果は 0 になります。一方、同じ場合には積分値が π となります。
∫−ππcos(mx)cos(nx)dx={0π(m=n)(m=n)
こちらも同様に、異なる m と n の場合には積分値が 0 で、同じ場合には π となります。これらの結果は三角関数の直交性と呼ばれます。
次に、cosxおよびsinxのべき乗の積分公式を見ていきます。
n が奇数の時
∫02π(cosx)ndx=∫02π(sinx)ndx=(n−1)!!n!!
奇数の場合、二重階乗を使った表現になります。
n が偶数の時
∫02π(cosx)ndx=∫02π(sinx)ndx=2π⋅(n−1)!!n!!
偶数の場合には、積分値に 2π を掛ける形になります。これはウォリスの積分と呼ばれます。
2. 指数・対数関数の積分
次に、指数関数と対数関数の積分公式を紹介します。対数関数の積分は、 x に対数を掛け、その後に x を引く形になります。
∫logxdx=xlogx–x+C
ネイピア数の指数関数の積分は、同じ指数関数に積分定数を加えたものです。
∫exdx=ex+C
底が a の指数関数の積分は、同じ指数関数を loga で割ったものになります。
∫axdx=logaax+C
x の逆数の積分は、x の絶対値の対数に積分定数を加えたものです。
∫xdx=log∣x∣+C
3. その他の積分
最後に、その他の積分公式をいくつか紹介します。x の p 乗の積分は、指数を1増やしてその値で割る形になります。
∫xpdx=p+1xp+1+C
分母に平方根がある場合、このような対数の形で表されます。
∫x2+adx=logx+x2+a+C
x2 の分母に定数 a2 が足されている場合、逆正接関数を用いた形になります。
∫x2+a2dx=a1tan−1ax+C
分母が定数から x2 を引いた平方根の場合、逆正弦関数で表されます。
∫a2–x2dx=sin−1ax+C
ここでは、平方根が積分の中にある場合の公式です。
∫x2+adx=21(xx2+a+alogx+x2+a)+C
双曲線関数の積分は、次のようになります。
∫sinhxdx=coshx+C
∫coshxdx=sinhx+C
∫tanhxdx=log(coshx)+C