IPアドレスのネットワーク部とホスト部とは?ゆるーくわかりやすく解説

1. IPアドレスとは
IPアドレスは、インターネット上でデバイスを識別するための住所のようなものです。たとえば、パソコン、スマートフォン、サーバーなど、インターネットに接続されるデバイスには、各自異なるIPアドレスが割り振られています。このIPアドレスを使って、データがどのデバイスに送信されるべきかが決まります。
IPアドレスには、「IPv4(例: 192.168.1.1)」と「IPv6(例: 2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334)」の2種類がありますが、ここでは主に一般的なIPv4アドレスを例に説明します。
1.1. IPアドレスの構造
IPv4アドレスは、4つの10進数(例: 192.168.1.1)で表され、それぞれ0から255の値を取ります。この4つの数値は「オクテット」と呼ばれ、ドットで区切られています。
IPアドレスは大きく分けて2つの部分で構成されます。
- ネットワーク部
- ホスト部
2. ネットワーク部とは
ネットワーク部は、そのIPアドレスが属するネットワークを識別する部分です。たとえば、企業や家庭内のネットワークごとに異なるネットワーク部が設定されており、外部からの通信がどのネットワークに向かうのかを決定する役割を持っています。
例:IPアドレス「192.168.1.10」があるとしましょう。ネットワークとホスト部が24bitで区切られている場合、「192.168.1」がネットワーク部として使われています。この「192.168.1」の部分は、家庭や企業のルーターが管理している範囲(ネットワーク)を表しています。このネットワーク部が同じであれば、同じネットワーク内の他のデバイスと通信が可能です。



3. ホスト部とは
ホスト部は、ネットワーク内の各デバイス(パソコン、スマートフォンなど)を識別するための部分です。ネットワーク内にあるデバイスの個別アドレスにあたります。つまり、ネットワーク部が同じIPアドレスであっても、ホスト部が異なることで同一ネットワーク内の別デバイスとして識別できます。
例:先ほどの「192.168.1.10」の場合、「10」がホスト部です。このネットワーク内には「192.168.1.11」や「192.168.1.12」といった他のデバイスが存在するかもしれませんが、ホスト部が異なることで個別のデバイスとして扱われます。


4. ネットワーク部とホスト部の境界
IPアドレスのネットワーク部とホスト部の境界を決めるために使われるのが「プレフィックス表記」です。プレフィックス表記は、IPアドレスの後ろに「/(スラッシュ)」で区切って数値を記載する方法で、どこまでがネットワーク部かを示します。この数値は、ネットワーク部のビット数を表し、「CIDR表記」とも呼ばれます。
たとえば、以下のような形式です。
- 192.168.1.0/24
- 10.0.0.0/8
4.1. プレフィックス表記の意味
プレフィックス表記の数値は、IPアドレスの中でネットワーク部に割り当てられているビット数を表します。IPv4アドレスは32ビットで構成されているので、たとえば「/24」は32ビットのうち最初の24ビットがネットワーク部であることを示しています。残りの8ビットがホスト部となります。
4.2. 例:「192.168.1.0/24」の場合
「/24」は最初の24ビットがネットワーク部であることを示します。
この場合、「192.168.1」がネットワーク部に該当し、ホスト部としては残りの「0」が変動可能な範囲です。つまり、このネットワーク内では「192.168.1.1」から「192.168.1.254」までのアドレスをホストとして割り当てることができます。また、「192.168.1.0」から「192.168.1.255」は次のような理由により、デバイスに割り当てることができません。
- ネットワークアドレス:「192.168.1.0」
- このアドレスはネットワーク自体を表すため、ホストとしては使用できません。
- ブロードキャストアドレス:「192.168.1.255」
- これは、そのネットワーク内のすべてのデバイスに一斉にデータを送るための特別なアドレスです。