更新:2025/03/01

ジュコフスキー変換w=z+a^2/zと例題について

はるか
はるか
ジューコフスキー変換について、どう思う?
ふゅか
ふゅか
複素数を使ってこんなに簡単に形を変えるなんて!

「どうして飛行機の翼はあの形をしているんだろう?」

実は、数学のある変換を使えば、シンプルな円を翼のような形に変えることができます。それが ジューコフスキー変換 です。

この変換を使うことで、円を翼型に変形し、空気の流れを解析することができます。流体力学や航空工学で重要な役割を果たすこの変換の仕組みを、例題を交えてわかりやすく解説していきます。

1. ジューコフスキー変換

ジューコフスキー変換は次のように定義されます。

\[ w = z + \frac{a^2}{z} \]

ここで、\(z\) は複素平面上の元であり、\(w\) は変換後の複素平面上の元です。この変換は、複素数 \(z\) を別の複素数 \(w\) に写像します。

ジューコフスキー変換は、流体力学や航空工学で重要な役割を果たす等角写像の一つで、翼型などの解析に使用されます。

2. ジューコフスキー変換の例題

複素数$z$が原点を中心に半径$r$の円を描くとき、

\[ w = z + \frac{a^2}{z} \]

を満たすときの$w$が描く図形を求めなさい。ただし、$r$は$a$以上かつ$a>0$であるとする。

複素数 \( z \) が半径 \( r \) の円を描くとき、\( z \) は次のように表されます。

$$z=r(\cos\theta+i\sin\theta)$$

したがって、

\[ w = r(\cos \theta + i \sin \theta) + \frac{a^2}{r}(\cos \theta – i \sin \theta) \]

これを展開すると、

\[ w = \left( r + \frac{a^2}{r} \right) \cos \theta + i \left( r – \frac{a^2}{r} \right) \sin \theta \]

ここで、$w = x + i y$と置くと、

\[ x = \left( r + \frac{a^2}{r} \right) \cos \theta , \quad y = \left( r – \frac{a^2}{r} \right) \sin \theta \]

となる。

ここで次の二つの場合分けを行う。

  1. $r=a$のときの複素数の軌跡
  2. $r> a$のときの複素数の軌跡

[1]$r=a$のとき、

\[ x = 2a \cos \theta , \quad y = 0 \]

したがって、$-2a \geq x \geq 2a$となるので、$w$は$-2a$と$2a$を結ぶ線分の軌跡を描く。

[2]$r>a$のとき、$\cos\theta$と$\sin\theta$は次のように表すことができる。

$$\cos\theta =\frac{x}{ \left( r + \frac{a^2}{r} \right)} , \quad \sin \theta = \frac{y}{ \left( r – \frac{a^2}{r} \right)}$$

ここで、$\cos^2 \theta + \sin^2 \theta = 1$ より、$w$ は次のような楕円を描きます。

\[ \left( \frac{x}{r + \frac{a^2}{r}} \right)^2 + \left( \frac{y}{r – \frac{a^2}{r}} \right)^2  = 1 \]

PR