更新:2025/03/01

フェルマーの小定理と巡回数 ー 142857の仕組みと性質について

はるか
はるか
142857って掛け算を計算すると巡回しない?
ふゅか
ふゅか
そうね。142857は巡回数と呼ばれる有名な数字よ!

142857って掛け算しても巡回しない?

「142857」という数字をご存じですか?この6桁の数には、掛け算をすると桁が巡回するという驚きの性質があります。

例えば、142857 × 2 を計算すると 285714142857 × 3 を計算すると 428571 となり、もとの数字が見事に入れ替わるように巡回します。さらに、この数を7で割ると現れる循環小数にも興味深い規則性があるのです。

本記事では、

  • 142857の巡回する仕組み
  • 7との関係、分数における不思議な性質
  • フェルマーの小定理との関連性

なぜこのような規則が生まれるのか? 具体例を交えながら、分かりやすく紹介していきます!

1. 巡回数の不思議

$142857 × a$ $(a = 1, 2, … , 6)$ を計算すると、常に142857の桁が巡回します。

1.1. 巡回の具体例

以下に、aの値ごとに変わる巡回の様子を示します。

ふゅか
ふゅか
14の部分を強調して巡回していることを確認してみるね!
a 巡回する数
1 142857
2 285714
3 428571
4 571428
5 714285
6 857142

2. 分数でも巡回する

$\left(\displaystyle\frac{a}{7}\right)$ $(a = 1, 2, … , 6)$ の循環節は、142857が巡回します。
ふゅか
ふゅか
実は分数でも巡回しているの!

2.1. 分数における巡回の例

循環節とは、循環小数において繰り返される部分を指します。以下にその具体例を示します。

a 循環小数
1 $0.\dot{1}4285\dot{7}$
2 $0.\dot{2}8571\dot{4}$
3 $0.\dot{4}2857\dot{1}$
4 $0.\dot{5}7142\dot{8}$
5 $0.\dot{7}1428\dot{5}$
6 $0.\dot{8}5714\dot{2}$

3. 「9」が並ぶ現象

$142857 × 7 = 999999$ となる。他の巡回数でも、同じように巡回数をかけると同様の現象が見られる。

3.1. 7で割ると見えてくるもの

$\left(\displaystyle\frac{1}{7}\right) × 7 = 0.\dot{9}$ という関係が成り立ちますが、循環数を6回繰り返すと、999999と等しいことが分かります。

4. 巡回数とフェルマーの小定理

巡回数はフェルマーの小定理と関係があります。具体的には、巡回数は次の式で生成されます。

\[ \frac{b^{p-1} – 1}{p} \]ここで、

  • \( b \) は基数(例えば、10進数では10)。
  • \( p \) は \( b \) を割らない素数です。

フェルマーの小定理によると、任意の整数 \( b \) と、\( b \) を割らない素数 \( p \) に対して、次のようになります。

\[ b^{p-1} \equiv 1 \ (\text{mod } p) \]

\[ b^{p-1}-1 \equiv 0 \ (\text{mod } p) \]

巡回数は、\( b^{p-1} \) から1を引き、これを \( p \) で割ることができます。

\[ 巡回数 = \frac{b^{p-1} – 1}{p} \]

4.1. 具体例

基数 \( b = 10 \) で、素数 \( p = 7 \) の場合。

\[ 10^{7-1} – 1 = 10^6 – 1 = 999999 \]

これを \( p = 7 \) で割ります。

\[ \frac{999999}{7} = 142857 \]

はるか
はるか
巡回数 \( 142857 \) が生成された。
PR