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更新:2025/03/01

LaTeX & KaTeX で使う論理記号一覧と書き方を徹底解説

「数学の論文やレポートで論理式を正しく表現したいけれど、LaTeX や KaTeX の記号の書き方が分からない…」

そんな悩みを抱えたことはありませんか?

数学や論理学では、「否定(¬)」や「論理積(∧)」、「論理和(∨)」 などの記号を用いることで、複雑な論理をシンプルかつ明確に表現できます。しかし、TeX の記法に慣れていないと、「どうやって記号を入力するのか?」と迷ってしまうこともあるでしょう。

本記事では、LaTeX & KaTeX の論理記号の書き方を1つずつ丁寧に解説し、それぞれのコマンドを 具体的なコードと出力例付き で紹介します。

はるか
はるか
論理記号をLaTeXで書く方法を知ってる?
ふゅか
ふゅか
もちろん!たとえば「論理積(∧)」は <code>\land</code> で書けるよ!
はるか
はるか
それ、どうやって使うの?
ふゅか
ふゅか
例えば、「P かつ Q」を表現したいなら、こう書くの!\[ P \land Q \] ってね。
はるか
はるか
なるほど。他の記号も同じ感じ?
ふゅか
ふゅか
うん!「論理和(∨)」は \lor、「否定(¬)」は \lnot って書くんだよ!

1. 論理記号とは

論理学では、命題や論証を記述する際に特有の記号を用います。これらは口頭・文面での「~ならば」「~かつ」などの言葉を、厳密かつ簡潔に表現するためのツールです。LaTeX では、これらの論理記号を数式モード(\( … \) あるいは \[ ... \])で記述することが多いです。必要に応じて、数学記号が充実したパッケージ(amsmathamssymb など)を導入することで利用できる記号が増えます。

2. よく使われる論理記号一覧

以下に、論理学で最も基本的かつ頻繁に使用される記号と LaTeX コマンドを表にまとめました。

意味 記号 LaTeX コマンド 補足・別名
否定 ¬ \lnot \neg と書かれることもある
論理積(かつ) \land and, conjunction
論理和(または) \lor or, disjunction
含意(ならば) \to \rightarrow でも可
強調含意 \Rightarrow implies
両方向(同値) \leftrightarrow
強調同値 \Leftrightarrow if and only if (iff)
全称量化子(任意) \forall for all
存在量化子(存在) \exists there exists
不存在 \nexists not exists
\top T\text{True} などの場合も
\bot F\text{False} などの場合も

3. そのほか便利な記号

数学や証明に関連する場面では、以下のような記号もよく登場します。LaTeX で押さえておくと便利です。

意味 記号 LaTeX コマンド 補足
よって(三点) \therefore therefore
なぜならば \because because
証明終了 ■ (黒) \blacksquare 白四角は \square
必然性(ボックス) \Box modal logic などで使用
可能性(ダイヤ) \Diamond modal logic などで使用

4. 例:論理式を書いてみる

実際に LaTeX で論理式を書いてみましょう。たとえば、「命題 \(P\) から命題 \(Q\) が導かれる」「\(P\) でなければ \(Q\) である」といった論理式を表現したい場合、LaTeX では以下のように記述します。

\[
  P \Rightarrow Q
\]

\[ P \Rightarrow Q \]

あるいは、

\[
  \lnot P \lor Q
\]

\[ \lnot P \lor Q \]と書くこともあります。
両方をまとめて「二重条件」で書きたい場合は、

\[
  (P \Rightarrow Q) \Leftrightarrow (\lnot P \lor Q)
\]

のように書くことができます。ここで \Leftrightarrow は論理的な「同値」を意味します。

以下では、代表的な論理記号について、「TeX(LaTeX)」と「KaTeX」での記述方法を1つずつ確認する形でまとめます。基本的に KaTeX でも LaTeX と同様のコマンドが使用できますが、一部未サポートのコマンドが存在する場合があります(KaTeX のバージョンや導入設定による)。本記事では、よく使われる論理記号に限って解説します。

5. 論理記号一覧

以下に代表的な論理記号を示します。「LaTeX/TeX コマンド」「KaTeX コマンド」は同じと考えて差し支えありませんが、KaTeX のバージョンによってはサポート状況が変わる可能性があります。

5.1. 否定 (Negation)

  • 記号: ¬ (または \(\lnot\))
  • 意味: 「~でない」「否定」
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \lnot もしくは \neg どちらも同じ表示になることが多いです。

使用例 (LaTeX / KaTeX):

% インラインの場合
This is not true: \( \lnot P \).

% ディスプレイ表示の場合
\[
  \lnot P
\]

結果:

インライン: \( \lnot P \)

ディスプレイ:

\[ \lnot P \]

5.2. 論理積 (Conjunction)

  • 記号: ∧
  • 意味: 「かつ (and)」、両方が真のときだけ真
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \land

使用例:

% インライン
\( P \land Q \)

% ディスプレイ
\[
  P \land Q
\]

結果:

インライン: \( P \land Q \)

ディスプレイ:

\[ P \land Q \]

5.3. 論理和 (Disjunction)

  • 記号: ∨
  • 意味: 「または (or)」、いずれか一方でも真ならば真
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \lor

使用例:

\( P \lor Q \)

結果: \( P \lor Q \)

5.4. 含意1 (Implication)

  • 記号: →
  • 意味: 「~ならば」「if … then …」
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \to または \rightarrow
    • どちらも同じ表示になります。

使用例:

\( P \to Q \)

結果: \( P \to Q \)

5.5. 含意2 (Implies)

  • 記号: ⇒
  • 意味: 「ならば」を強調
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \Rightarrow

使用例:

\( P \Rightarrow Q \)

結果: \( P \Rightarrow Q \)

5.6. 同値1 (Biconditional)

  • 記号: ↔
  • 意味: 「両方向の含意」「P ならば Q であり、Q ならば P」
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \leftrightarrow

使用例:

\( P \leftrightarrow Q \)

結果: \( P \leftrightarrow Q \)

5.7. 同値2

  • 記号: ⇔
  • 意味: 「同値」「if and only if」
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \Leftrightarrow

使用例:

\( P \Leftrightarrow Q \)

結果: \( P \Leftrightarrow Q \)

5.8. 全称量化子 (Universal Quantifier)

  • 記号: ∀
  • 意味: 「任意の」「すべての」
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \forall

使用例:

\( \forall x \in A,\ P(x) \)

結果:

\[ \forall x \in A,\ P(x) \]

5.9. 存在量化子 (Existential Quantifier)

  • 記号: ∃
  • 意味: 「存在する」
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \exists

使用例:

\( \exists x \in A,\ P(x) \)

結果:

\[ \exists x \in A,\ P(x) \]

5.10. 不存在 (Non-existence)

  • 記号: ∄
  • 意味: 「存在しない」
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \nexists

使用例:

\( \nexists x \in A,\ P(x) \)

結果:

\[ \nexists x \in A,\ P(x) \]

5.11. 真 (Truth)

  • 記号: ⊤
  • 意味: 「真 (True)」
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \top (しばしば単に T と書くこともあります)

使用例:

\( P \land \top \equiv P \)

結果:

\[ P \land \top \equiv P \]

5.12. 偽 (Falsity)

  • 記号: ⊥
  • 意味: 「偽 (False)」
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \bot (しばしば単に F と書くこともあります)

使用例:

\( P \lor \bot \equiv P \)

結果:

\[ P \lor \bot \equiv P \]

5.13. よって(Therefore)

  • 記号: ∴
  • 意味: 「したがって」「よって」
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \therefore

使用例:

\( P \land (P \to Q) \therefore Q \)

結果:

\[ P \land (P \to Q) \therefore Q \]

5.14. なぜならば(Because)

  • 記号: ∵
  • 意味: 「なぜならば」
  • LaTeX / KaTeX コマンド: \because

使用例:

\( \because P \land (P \to Q),\ Q \)

結果:

\[ \because P \land (P \to Q),\ Q \]

5.15. 証明終了 (End of Proof)

  • 記号: ■(白四角)または ■(黒四角)
  • LaTeX / KaTeX コマンド:
    • 白四角: \square
    • 黒四角: \blacksquare

使用例:

\[
  P \to Q \quad \square
\]

\[ P \to Q \quad \square \]

または

\[
  P \to Q \quad \blacksquare
\]

\[ P \to Q \quad \blacksquare \]

はるか
はるか
LaTeXで証明終了の記号ってどうやって書く?
ふゅか
ふゅか
あ、それなら \blacksquare だね!例えば、\[ P \to Q \quad \blacksquare \] って書けば、証明終了を表せるよ!
はるか
はるか
白四角は?
ふゅか
ふゅか
それなら \square を使えばOK!\[ P \to Q \quad \square \] って書けば、白四角の証明終了マークが出せるよ!
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