【LaTex・VsCode】目次の作成方法とtocloftを利用したカスタマイズについて





1. Table of Contents
LaTeXは、科学論文やレポートなどの文書を美しく作成するためのツールとして広く利用されています。目次(Table of Contents, TOC)は、文書を読みやすく整理する重要な要素です。この記事では、LaTeXで目次を作成する方法をわかりやすく説明します。
2. 目次の基本的な作成方法
LaTeXで目次を自動生成するには、\tableofcontents
コマンドを使用します。このコマンドを文書内に挿入すると、目次が自動的に生成されます。
2.1. 基本のコード例
以下は簡単な例です。
\documentclass{article} % 文書クラスの指定
\usepackage[T1]{fontenc} % フォントエンコーディング設定
\usepackage{xeCJK}
\setCJKmonofont{IPAGothic}
\begin{document}
% タイトルと目次の追加
\title{LaTeXで目次を作る方法}
\author{著者名}
\date{\today}
\maketitle
\tableofcontents % 目次の生成
\section{はじめに}
本文内容...
\section{LaTeXの基本}
本文内容...
\subsection{目次の基本}
本文内容...
\section{応用編}
本文内容...
\end{document}
2.2. 実行結果
上記のコードをコンパイルすると、タイトルの下に目次が表示されます。目次には、section
や subsection
などの見出しが自動的にリスト化されます。手書きで、目次の番号を書かなくていいのはすごく楽ですね。
3. 目次の表示位置
\tableofcontents
コマンドを配置した場所に目次が挿入されます。通常、タイトルの直後や文書の冒頭に配置します。
4. 見出しの階層
LaTeXでは、以下のような見出しコマンドを使って階層を指定できます。
\part
:文書の大きな区切り\chapter
:章(book
やreport
クラスで使用可能)\section
:節\subsection
:小節\subsubsection
:小小節

4.1. 例
\section{第一章}
\subsection{小節1}
\subsubsection{小小節1-1}
これにより、目次に各階層が反映されます。
4.2. ページ番号の表示
目次には自動的に各項目のページ番号が表示されます。ページ番号を調整したい場合は、\setcounter
コマンドを使用して変更できます。
\setcounter{page}{10} % ページ番号を10に設定
5. 目次に含めるレベルの調整
目次に表示する見出しの階層を調整するには、\setcounter{tocdepth}
を使用します。たとえば、section
まで表示したい場合は以下のように設定します。
\setcounter{tocdepth}{2} % sectionまで表示
\tableofcontents
値 | 含まれる見出し |
---|---|
0 | part のみ |
1 | section まで |
2 | subsection まで |
3 | subsubsection まで |
6. 細かいカスタマイズ(tocloft)
目次のデザインやフォーマットをカスタマイズしたい場合、tocloft
パッケージを使用すると便利です。tocloft
は、LaTeX文書で目次やリスト(図表目次など)のカスタマイズを行うための便利なパッケージです。このパッケージを使用すると、目次のスタイル、見出しの間隔、フォントサイズ、インデントなどを柔軟に設定できます。


6.1. パッケージの読み込み
\usepackage{tocloft}
これをプリアンブル(\begin{document}
の前)に記載します。
6.2. 目次のカスタマイズ
6.2.1. 項目の間隔を調整
目次で各項目の間隔を変更したい場合に使用します。
\setlength{\cftbeforesecskip}{10pt} % セクション間の間隔を10ptに設定
6.2.2. インデントの設定
目次の各階層のインデント(横の空白)を設定できます。
\setlength{\cftsecindent}{5em} % セクションのインデント
\setlength{\cftsubsecindent}{3em} % サブセクションのインデント
6.3. タイトルの変更(renewcommand)
目次や図のキャプション名をカスタマイズできます。
\renewcommand{\contentsname}{目次} % 目次タイトルを「目次」に変更
\renewcommand{\figurename}{図} % キャプション名をfigureから「図」に変更
6.4. 目次のリーダー(点線)の変更
リーダー(ドットのデザイン)を変更したい場合に使用します。
\renewcommand{\cftdot}{\ensuremath{\ast}} % ドットをアスタリスクに変更
\renewcommand{\cftsecdotsep}{2} % ドット間の間隔を調整
6.5. tocloftを利用したカスタマイズした目次例
以下は、tocloft
を使って目次をカスタマイズした簡単な例です。
\documentclass{article} % 文書クラスの指定
\usepackage{xeCJK}
\usepackage{graphicx}
\setCJKmonofont{IPAGothic}
\usepackage{tocloft}
% 目次のカスタマイズ
\renewcommand{\contentsname}{目次} % タイトルを「目次」に変更
\setlength{\cftbeforesecskip}{5pt} % セクション間の間隔
\setlength{\cftsecindent}{1.5em} % セクションのインデント
\begin{document}
\tableofcontents % 目次を出力
\section{はじめに}
ここではイントロダクションを書きます。
\section{本論}
\subsection{背景}
背景情報について述べます。
\subsection{分析}
データ分析について説明します。
\section{結論}
まとめを記載します。
\end{document}