回線利用率とは?ゆるーくわかりやすく解説




1. 回線利用率の計算方法
インターネットや社内ネットワークを効率的に運用する上で、「回線利用率」は非常に重要な指標です。この指標を正確に理解し、計算することで、ネットワークの状態を把握しやすくなり、回線の適切な利用やトラブルシューティングに役立ちます。
1.1. 回線利用率とは?
回線利用率とは、ネットワーク回線がどの程度利用されているかを示す指標です。通信回線の実際の使用量を、回線が提供する最大速度(帯域幅)と比較して割合として表します。これにより、回線が混雑しているか、余裕があるかを判断できます。
1.2. 回線利用率の計算式
回線利用率は、以下の計算式を使用して求めます:
\[ 回線利用率(\%)=\frac{実際のデータ転送量(ビット/秒)}{通信速度(ビット/秒)}×100 \]
1.3. 計算式の項目解説
- 実際のデータ転送量(ビット/秒)
- 実際に回線を通過しているデータ量を表します。
- 単位は「bps(ビット毎秒)」で表されることが一般的です。
- 通信速度(ビット/秒)
- 使用している回線が理論的に最大で転送可能な速度を指します。
- これも「bps(ビット毎秒)」で表されます。たとえば、光回線の場合は1Gbps(ギガビット毎秒)など。
- ×100
- 計算結果を百分率(%)として表すために掛けます。
2. 例題
次に、具体的な例を使って計算方法を説明します。
2.1. 例 1: 回線利用率が低い場合
- 通信速度(最大帯域幅): 100Mbps
- 実際のデータ転送量: 10Mbps
計算式に当てはめると:
\[ 回線利用率(\%)=\frac{10,000,000}{100,000,000}×100=10\% \]
この場合、回線利用率は 10% となります。余裕がある状態です。
2.2. 例 2: 回線利用率が高い場合
- 通信速度(最大帯域幅): 1Gbps(1,000Mbps)
- 実際のデータ転送量: 800Mbps
計算式に当てはめると:
\[ 回線利用率(\%)=\frac{800,000,000}{1,000,000,000}×100=80\% \]
この場合、回線利用率は 80% です。回線が混雑している可能性があります。
2.3. 例 3: 回線利用率の計算
通信速度 100,000 ビット/秒の回線を使用し、平均 500 バイトのデータを 1 秒間に 10 回送信する場合の回線利用率(%)を求めなさい。ここで、データ送信に伴い、送信データ量の 10%の制御情報が付加されるものとする。
情報を整理すると、
- 通信速度(帯域幅):\( 100,000 \) ビット/秒
- 1 回のデータ量:\( 500 \) バイト→ \( 500 \times 8 = 4,000 \) ビット
- 制御情報の付加量:データ量の 10%なので、\( 4,000 \times 0.1 = 400 \) ビット
- 1 回あたりの総データ量:\( 4,000 + 400 = 4,400 \) ビット
- 1 秒間の送信回数:\( 10 \) 回
1 秒間に送信するデータの総量は:
\[ 1 秒あたりのデータ転送量 = 4,400 \, \text{ビット} \times 10 = 44,000 \, \text{ビット/秒} \]
回線利用率の計算式を使用します:
\[\begin{align*} \text{回線利用率(%)} &= \frac{\text{実際のデータ転送量}}{\text{通信速度}} \times 100 \\ &= \frac{44,000}{100,000} \times 100 \\ &= 44 \, \% \end{align*}\]
回線利用率は 44% です。