ロジット関数の定義・性質・オッズとの関係について





1. ロジット関数とは
\[ \operatorname{logit}(p) = \log\left( \frac{p}{1 – p} \right) = \log(p) – \log(1 – p) \]
ここで、\(\log\) は自然対数(底が \( e \) の対数)を表します。
ロジット関数のグラフを書くと次のようになります。
2. ロジット関数の性質


2.1. ロジスティック関数との関係
ロジット関数は、ロジスティック関数(またはシグモイド関数)の逆関数です。
逆関数を求めると、次のようになります。
\[ \log\left(\frac{p}{1 – p}\right) =\alpha \]
\[ \frac{p}{1 – p} = e^{\alpha } \]
ここから、\( p \)を解いていきます。まずは両辺を整理して、
\[ p = (1 – p)e^{\alpha } \]
\[ p(1 + e^z) = e^{\alpha } \]
\[ p = \frac{e^{\alpha }}{1 + e^{\alpha }} \]
最終的に、分子分母を$e^z$で割ると、\( p \)は次のように表せます。
\[ p = \frac{1}{1 + e^{-{\alpha }}} \]
この関数は、実数値 \( \alpha \) を確率値 \( (0, 1) \) の範囲に変換します。
2.2. オッズとの関係
確率 \( p \) に対するオッズは、以下の式で計算されます。
\[ \text{オッズ} = \frac{p}{1 – p} \]
したがって、オッズの自然対数を取ったものがロジットです。
\[ \operatorname{logit}(p) = \log(\text{オッズ}) \]
2.3. 統計学での応用:ロジットモデル
ロジット関数は統計学で広く使用され、特にロジスティック回帰で重要な役割を果たします。最も基本的なロジットモデルは次のように表されます。
\[ \operatorname{logit}(p_i) = a + b x_i \]
- \( p_i \):事象が起こる確率
- \( x_i \):説明変数(独立変数)
- \( a, b \):モデルのパラメータ
このモデルでは、説明変数 \( x_i \) が確率 \( p_i \) に与える影響を解析します。
2.4. なぜロジット関数を使うのか
ロジット関数を用いることで、確率値を無限の範囲を持つ実数に変換でき、線形モデルでの解析が容易になります。

