更新:2024/12/20

リュカ数の意味と性質、フィボナッチ数列の関係について

はるか
はるか
リュカ数って、フィボナッチ数列と似てるけど、初期値が違うだけ。
ふゅか
ふゅか
そうそう!リュカ数は最初の値が2と1になるのがポイントね!フィボナッチ数列は0と1だけど、ちょっとした違いが面白いよね♪
はるか
はるか
漸化式も同じ。隣接する項の和で次の項が決まる。

1. リュカ数とは

リュカ数は、フィボナッチ数列と密接に関連する数列です。フィボナッチ数列と同様に、リュカ数も隣接する項の和で次の項が決まる漸化式になりますが、初期値が異なります。

リュカ数 \(L_n\) は次の漸化式で定義されます。

\[ L_n = \begin{cases} 2 & (n = 0) \\ 1 & (n = 1) \\ L_{n-1} + L_{n-2} & (n \geq 2) \end{cases} \]

これはフィボナッチ数列の初期条件が \(F_0 = 0\) と \(F_1 = 1\) であるのに対し、リュカ数では初期条件が \(L_0 = 2\) と \(L_1 = 1\) である点が異なります。

2. リュカ数の性質

2.1. フィボナッチ数列との関係

$n\geq 1$のとき、リュカ数$L_n$とフィボナッチ数列$F_n$の間には以下の関係があります。

\[ L_n = F_{n-1} + F_{n+1} \]

ふゅか
ふゅか
ところで、リュカ数とフィボナッチ数列って密接に関係してるんだよ!例えば、$L_n = F_{n-1} + F_{n+1}$って式があるの。
はるか
はるか
うん、これを証明するときは、数学的帰納法を使う。

2.2. リュカ数の一般項

フィボナッチ数と同様に、リュカ数の一般項も黄金比 \(\phi = \frac{1+\sqrt{5}}{2}\) と \(\psi = \frac{1-\sqrt{5}}{2}\) を使って表せます。

\[ L_n = \phi^n + \psi^n\]

ここで、フィボナッチ数列$F_n$の一般項は次のようになる。

\[ L_n = \frac{1}{\sqrt{5}}(\phi^n – \psi^n)\]

与えられた特性方程式は

\[ x^2 = x + 1 \]

これは再整理すると

\[ x^2 – x – 1 = 0 \]

この二次方程式を解くと、

\[ x = \frac{1 \pm \sqrt{1 + 4}}{2} = \frac{1 \pm \sqrt{5}}{2} \]

これにより、2つの解 \( \alpha \) と \( \beta \) が得られます。

\[ \alpha = \frac{1 + \sqrt{5}}{2}, \quad \beta = \frac{1 – \sqrt{5}}{2} \]

\(\alpha\) と \(\beta\) について、以下の性質が成り立ちます。

\[ \alpha + \beta = 1, \quad \alpha \beta = -1, \quad \alpha-\beta = \sqrt{5} \]

次に、漸化式を等比数列として解くために、以下のように変形します。

\[ L_n – \alpha L_{n-1} = \beta (L_{n-1} – \alpha L_{n-2}) \]

この式から、左辺が公比 \(\beta\) の等比数列になることがわかります。よって、

\[ L_n – \alpha L_{n-1} = \beta^{n-1}(L_1 – \alpha L_0) \]

初期条件 \( L_1 = 1 \) および \( L_0 = 2 \) を代入すると、

\[ L_n – \alpha L_{n-1} = \beta^{n-1}(1 – 2\alpha) = -\sqrt{5} \beta^{n-1} \]

同様にして、もう1つの式も導きます。

\[ L_n – \beta L_{n-1} = \alpha^{n-1}(L_1 – \beta L_0) = \alpha^{n-1}(1 – 2\beta) = \sqrt{5} \alpha^{n-1} \]

最後に、これら2式から \(L_n\) を解きます。

\[ L_n = \frac{\sqrt{5}(\alpha^n + \beta^n)}{\alpha – \beta} \]

\(\alpha – \beta = \sqrt{5}\) なので、

\[ L_n =\alpha^n + \beta^n \]

\(\alpha = \frac{1 + \sqrt{5}}{2}\), \(\beta = \frac{1 – \sqrt{5}}{2}\) を代入すると、

\[ L_n = \left( \frac{1 + \sqrt{5}}{2} \right)^n + \left( \frac{1 – \sqrt{5}}{2} \right)^n \]

3. 例題

3.1. 例題1:第10項を求める

リュカ数の第10項を求めなさい。

\[ L_0 = 2, \quad L_1 = 1, \quad L_2 = 3, \quad L_3 = 4, \quad L_4 = 7, \quad L_5 = 11, \quad L_6 = 18, \quad L_7 = 29, \quad L_8 = 47, \quad L_9 = 76 \]

したがって、第10項 \(L_{10}\) は

\[ L_{10} = L_9 + L_8 = 76 + 47 = 123 \]

3.2. 例題2:数学的帰納法

$n\geq 1$のとき、リュカ数 \(L_n\) とフィボナッチ数 \(F_n\) を使って次の等式を証明しなさい。

\[ L_n = F_{n-1} + F_{n+1} \]

数学的帰納法を利用して、与えられた関係を示します。

\(n = 1\)のとき、

\[ L_1 = 1, \quad F_0 = 0, \quad F_2 = 1, \quad 0+ 1 = 1 = L_1 \]

\(n = 2\)のとき、

\[ L_2 = 3, \quad F_1 = 1, \quad F_3 = 2, \quad 1+2 = 3 = L_2 \]

したがって、$n=1$、$n=2$の時、成り立つ。

\(n = k,n=k+1\) において \(L_k = F_{k-1} + F_{k+1},L_{k+1} = F_{k} + F_{k+2}\) が成り立つと仮定します。

次に \(n = k+2\) の場合を考えます。リュカ数の漸化式より、

\[ L_{k+2} = L_{k} + L_{k+1} \]

仮定とフィボナッチ数列の漸化式$F_{n}=F_{n-1}+F_{n-2}$より、

\[L_{k+2} = (F_{k-1} + F_{k+1}) + (F_{k} + F_{k+2})  \]

$$ =(F_{k-1}+F_{k})+(F_{k+1}+ F_{k+2})$$

$$ =(F_{k+1})+(F_{k+3})$$

$n=k+2$の時も成り立つことがわかります。

これで$L_n = F_{n-1} + F_{n+1}$が数学的帰納法により成り立つことが証明されました。

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