行列
1. 行列とは?
行列は$m$行$n$列の長方形の表で表されます。行列の要素は、実数または複素数で表されますが、任意の数の場合もあります。
行列Aを$m × n$行列 {$(m,n)$行列} とすると、
以上のように、表す。行列の$i行j列目$の成分を$a_{i,j}$とあらわします。
$a_{mn}$は以下の表のように対応する。
名前対応
m | 行 |
n | 列 |
2. 行列の具体例
2.1. 零行列
$$\mathbf{0} = \begin{pmatrix}
0 & 0 \\
0 & 0 \\
\end{pmatrix}$$
全ての成分が0で構成される行列です。
全ての成分が0で構成される行列です。
2.2. 単位行列
$$
\mathbf{E_2} = \begin{pmatrix}
1 & 0 \\
0 & 1 \\
\end{pmatrix}
$$
対角成分(行列の左上から右下に向かって引かれる線上の成分)が全て1で、それ以外の成分が全て0である行列です。$(n,n)$の単位行列を$E_n$とあらわすことがあります。
対角成分(行列の左上から右下に向かって引かれる線上の成分)が全て1で、それ以外の成分が全て0である行列です。$(n,n)$の単位行列を$E_n$とあらわすことがあります。
2.3. 正方行列
$$
\begin{pmatrix}
1 & 2 \\
3 & 4 \\
\end{pmatrix}
$$
行列の行数と列数が等しい行列です。今回の場合は$(2,2)$の行列です。
行列の行数と列数が等しい行列です。今回の場合は$(2,2)$の行列です。
2.4. 上三角行列
$$
\begin{pmatrix}
1 & 2 & 3 \\
0 & 4 & 5 \\
0 & 0 & 6 \\
\end{pmatrix}
$$
対角線よりも下側の成分が全て0である行列です。今回の場合は$(3,3)$の行列です。
対角線よりも下側の成分が全て0である行列です。今回の場合は$(3,3)$の行列です。
2.5. 下三角行列
$$
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\
2 & 4 & 0 \\
2 & 1 & 6 \\
\end{pmatrix}
$$
対角線よりも上側の成分が全て0である行列です。
対角線よりも上側の成分が全て0である行列です。
2.6. 対称行列
$$
\begin{pmatrix}
1 & 2 & 3 \\
2 & 4 & 5 \\
3 & 5 & 6 \\
\end{pmatrix}
$$
行列の対角線を中心にして、上下が対称になっている行列です。つまり、転置行列が元の行列と等しい行列です。
行列の対角線を中心にして、上下が対称になっている行列です。つまり、転置行列が元の行列と等しい行列です。
対称行列は次の記事で詳しく解説しています。
2.7. $(m,n)$行列
$$
\begin{pmatrix}
1 & 2 \\
3 & 4 \\
5 & 6 \\
\end{pmatrix}
$$
3行2列の行列です。
3行2列の行列です。
2.8. 対角行列
$$
\begin{pmatrix}
2 & 0 & 0 \\
0 & 4 & 0 \\
0 & 0 & 7 \\
\end{pmatrix}
$$
対角行列とは、対角線(斜め)以外の要素が全て0である正方行列のことを指します。
対角行列とは、対角線(斜め)以外の要素が全て0である正方行列のことを指します。
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