はるか
行列の積って、Aの列とBの行を掛け算して足し合わせる。
cij=∑k=1naikbkj。
ふゅか
1. 行列の積

行列の積は以上の画像のように行列のcijの成分(緑色の部分)が、青色の部分と赤色の部分の積の和となるような計算のことです。
行列の積ABは以下のようにあらわすことができます。
cij=k=1∑naikbkj
1.1. 添え字の対応
添え字の対応を色を用いて表すと以下のようになります。

ふゅか
次は添え字の対応関係ね。Aの
i行とBの
j列を見て、それぞれの成分を対応させていくの。結構、パズルみたいで楽しい♪
はるか
うん、色で表すとわかりやすい。添え字の位置を確認すれば、間違いにくい。
1.2. 行列のサイズ
行列の積の結果で得られる行列のサイズは、m×n行列とn×l行列の積であった場青、m×l行列になります。また、行列の積ABにおいて、Aの列数とBの行数が一致していないと、計算ができません。
はるか
行列の積のサイズも重要。例えば
m×n行列と
n×l行列の積で、結果は
m×l行列になる。
ふゅか
Aの列数とBの行数が一致してないと計算できないから、気を付けなきゃね!掛け算の前にしっかり確認しよう!
2. 行列の積の例
行列の積の具体例を行いたいと思います。2×2行列を例にしてみましょう。A=(2431) B=(5678)としたときの行列の積ABを求める。
AB=(2431)(5678)
=(2×5+3×64×5+1×62×7+3×84×7+1×8)
=(28263836)
2.1. 行列の積の順序を逆にすると
先ほどは行列の積ABを求めてみましたが、今度は行列の積BAを求めてみましょう。
AB=(5678)(2431)
=(5×2+7×46×2+8×45×3+7×16×3+8×1)
=(38442226)
このように、行列の積ABとはまた違う行列の計算結果が得られました。このように、行列の積の順序は入れ替えると、整数の掛け算と違って、必ず計算結果は同じにはなりません。つまり、AB=BA となるのです。
3. 例題
次の行列 A と B の積 C=AB を計算しなさい。
行列 A は 2×3 行列、行列 B は 3×2 行列とします。
A=(142536)B=791181012
行列 C の形は 2×2 行列になります。
行列 C の第1行第1列の要素:
C11=1×7+2×9+3×11=7+18+33=58
行列 C の第1行第2列の要素:
C12=1×8+2×10+3×12=8+20+36=64
行列 C の第2行第1列の要素:
C21=4×7+5×9+6×11=28+45+66=139
行列 C の第2行第2列の要素:
C22=4×8+5×10+6×12=32+50+72=154
したがって、行列の積 C は次のようになります。
C=(5813964154)