MTBF(平均故障間隔)と計算方法とは?ゆるーくわかりやすく解説



1. MTBFとは?
MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)は、機械やシステムがどれだけの時間正常に稼働できるかを示す指標で、特に信頼性を評価するために広く用いられています。
1.1. MTBFとは?
MTBFとは、「故障から故障までの平均時間」を意味します。たとえば、ある機器が1000時間動作した後に1度故障したとします。この場合、MTBFは1000時間になります。つまり、平均してどのくらいの間隔で故障が起こるかを示すことで、機器の信頼性を測る指標として使われます。

1.2. 英語から考える
“Mean Time Between Failures”(MTBF)は、直訳すると「故障と故障の間の平均時間」という意味になります。このフレーズを英語の構成から考えると、次のように分解できます。
- Mean:平均、つまり複数のデータの合計をデータ数で割ったもの。MTBFでは「平均的な時間」を指します。
- Time:時間。ここでは「システムや機器が正常に稼働している時間」を意味します。
- Between:間(あいだ)。ここでは、ある故障から次の故障までの間隔を示しています。
- Failures:故障。動作が正常に行われなくなること、または停止することを指します。
これをまとめると、「故障と故障の間に発生する平均的な動作時間」という意味になります。言い換えると、システムがどのくらいの時間、連続して問題なく動作するかを示す指標です。
2. MTBFの計算方法
\[ \text{MTBF} = \frac{\text{総稼働時間}}{\text{故障回数}} \]
3. MTBFの計算問題

3.1. 問題1
\[ \text{MTBF} = \frac{500 \text{時間}}{5} = 100 \text{時間} \]
したがって、このシステムのMTBFは100時間です。
3.2. 問題2
\[ \text{MTBF} = \frac{720 \text{時間}}{6} = 120 \text{時間} \]
この機械のMTBFは120時間です。
3.3. 問題3
\[ \text{MTBF} = \frac{2000 \text{時間}}{10} = 200 \text{時間} \]
この設備のMTBFは200時間です。
4. MTBFと他の指標
4.1. MTTR
\[ \text{MTTR} = \frac{\text{総修理時間}}{\text{故障の回数}} \]
4.2. 稼働率
MTBFは、主に「いつ故障するか」を示しますが、MTTR(Mean Time to Repair:平均修理時間)は「故障から修理完了までの時間の平均」を示します。この二つを組み合わせて、稼働率(可用性)を計算することも可能です。稼働率は次のように求められます。
\[ \text{稼働率} = \frac{\text{MTBF}}{\text{MTBF} + \text{MTTR}} \]
4.3. MTBFの注意点
MTBFはあくまで「平均的な」間隔を示すもので、具体的な故障の予測には使えません。また、MTBFは製品の寿命の指標ではなく、ある期間における故障間隔の目安として使われます。