更新:2024/11/24

中点連結定理と逆の証明、ベクトルを利用した証明について

はるか
はるか
中点連結定理。簡単に言うと、三角形の辺の中点を結ぶと、残りの辺と平行になって、その長さの半分になる、ってこと。
ふゅか
ふゅか
うん!例えば、三角形ABCの辺ABとACの中点をそれぞれMとNにすると、MNは辺BCと平行で、長さもBCの半分になるんだよね!

1. 中点連結定理とは

三角形 \( ABC \) の辺 \( AB \) と \( AC \) の中点をそれぞれ \( M \) と \( N \) とします。このとき、線分 \( MN \) は辺 \( BC \) と平行であり、さらにその長さは \( BC \) の半分になります。

\[ MN /\!/\ BC, \quad MN = \frac{1}{2}BC \]

1.1. 証明

三角形 \( ABC \) の辺 \( AB \) と \( AC \) の中点をそれぞれ \( M \) と \( N \) とします。つまり、次の関係が成り立ちます。

\[ AM = MB, \quad AN = NC \]

したがって、辺の比は

$$AM:AB = AN:AC=1:2$$

共通の角は等しいので、

\[ \angle MAN= \angle BAC \]

2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しいので、$\triangle ABC$と$\triangle AMN$は相似である。

相似の性質により、

$$MN:BC=1:2$$

$$MN=\dfrac{1}{2}BC$$

これにより、線分 \( MN \) の長さは \( BC \) の半分であることが示されました。

また、相似の対応する角が等しいため、

$$\angle AMN = \angle ABC$$

したがって、同位角が等しいので、辺\( MN \) と辺 \( BC \) は平行です。

\[ MN /\!/\ BC \]

2. 中点連結定理の位置ベクトルによる証明

三角形 \(ABC\) の辺 \(AB\) と \(AC\) の中点をそれぞれ \(M\)、\(N\) とします。中点 \(M\)、\(N\) の位置ベクトルは次のように表せます。

\[ \overrightarrow{m} = \frac{\overrightarrow{a} + \overrightarrow{b}}{2}, \quad \overrightarrow{n} = \frac{\overrightarrow{a} + \overrightarrow{c}}{2} \]

線分 \(MN\) のベクトル 線分 \(MN\) のベクトルは、次のように表されます。

\[ \overrightarrow{MN} = \overrightarrow{n} – \overrightarrow{m} = \left( \frac{\overrightarrow{a} + \overrightarrow{c}}{2} \right) – \left( \frac{\overrightarrow{a} + \overrightarrow{b}}{2} \right) = \frac{\overrightarrow{c} – \overrightarrow{b}}{2} \]

線分 \(BC\) のベクトル 一方で、線分 \(BC\) のベクトルは次のように表されます。\[ \overrightarrow{BC} = \overrightarrow{c} – \overrightarrow{b} \]

平行性の確認 ここで、線分 \(MN\) のベクトルが \(BC\) のベクトルのちょうど半分であることがわかります。

\[ \overrightarrow{MN} = \frac{1}{2} \overrightarrow{BC} \]

よって、線分 \(MN\) は線分 \(BC\) と平行であり、長さは \(BC\) の半分であることがわかります。

はるか
はるか
次は位置ベクトルで証明する方法だな。中点の位置ベクトルを考える。
ふゅか
ふゅか
MとNの位置ベクトルを計算すると、MNのベクトルはBCのベクトルの半分になるってことだよね!

3. 中点連結定理の逆

\[ MN /\!/\ BC, \quad MN = \frac{1}{2}BC \]

が成り立つとき、 \( M \) と \( N \) は三角形 \( ABC \) の辺 \( AB \) と \( AC \) の中点となる。

線分 \( MN \) が \( BC \) に平行であるため、同位角が等しくなります。

\[ \angle AMN = \angle ABC, \quad \angle ANM = \angle ACB \]

2組の角がそれぞれ等しいため、三角形 \( AMN \) と三角形 \( ABC \) は 相似 であることがわかります。相似な三角形において、対応する辺の比が等しくなるため、次の関係式が成り立ちます。

\[AM:AB=AN:AC=MN:BC=1:2\]

これにより、\( AM = \frac{1}{2}AB \)、\( AN = \frac{1}{2}AC \) が成り立ち、点 \( M \) は辺 \( AB \) の中点であり、点 \( N \) は辺 \( AC \) の中点であることがわかる。

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