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更新:2024/09/27

【単純・加重・指数】移動平均の種類・特徴・計算問題について

はるか
はるか
単純移動平均は、基本的な計算方法
ふゅか
ふゅか
そうだね!一定の期間のデータの平均を取って、トレンドを見つける方法よ♪ 例えば、5日間の平均を毎日計算するんだ。

1. 単純移動平均

1.1. 単純移動平均の特徴

単純移動平均は、最も基本的な移動平均の計算方法です。過去のデータの一定期間の平均値を計算して、その期間の終わりに位置する点にプロットします。

  • 一定の期間(例えば、5日間)のデータの平均を計算します。
  • 次のデータポイントに進むごとに、一番古いデータを外し、新しいデータを追加して、再度平均を計算します。
  • 簡単で直感的な計算方法。

単純移動平均の英語・・・Simple Moving Average, SMA

1.2. 計算方法

直近の \(N\) 個のデータポイントの平均値で計算されます。

\[ \text{SMA}_t = \frac{1}{N} \sum_{i=0}^{N-1} P_{t-i} \]

  • \( \text{SMA}_t \) は時点 \(t\) における単純移動平均
  • \( P_{t-i} \) は時点 \(t-i\) におけるデータポイント(価格など)
  • \(N\) は移動平均の期間

2. 加重移動平均

ふゅか
ふゅか
加重移動平均は単純移動平均と違って、最近のデータにもっと重みを与えるの。だから、最近の変動に敏感に反応するんだ。
はるか
はるか
重み付け、重要。最新の動きをより早く捉えたいときに使える。

2.1. 加重移動平均の特徴

加重移動平均では、単純移動平均と同様に過去の一定期間のデータを使用しますが、各データポイントに異なる重みを付けます。一般的に、最新のデータに大きな重みを与え、過去のデータには徐々に小さな重みを与えます。

  • 重み付け係数(例えば、最新の日には5、次の日には4…)を掛けたデータを合計し、その合計を重みの合計で割ります。
  • 最近のデータにより敏感に反応するため、単純移動平均よりもトレンドの変化を早く察知できます。
  • 過去のデータに対する影響が減少するため、より直近の動きを反映するのに適しています。

加重移動平均の英語・・・Weighted Moving Average, WMA

2.2. 計算方法

\[ \text{WMA}_t = \frac{\sum_{i=0}^{N-1} w_{i+1} P_{t-i}}{\sum_{i=1}^{N} w_i} \]

ここで、

  • \( \text{WMA}_t \) は時点 \(t\) における加重移動平均
  • \( w_i \) は重み付け係数(通常は \(w_1 > w_2 > \dots > w_N\) のように設定されます)
  • \( P_{t-i} \) は時点 \(t-i\) におけるデータポイント
  • \(N\) は移動平均の期間

3. 指数移動平均

はるか
はるか
次は、指数移動平均。

ふゅか
ふゅか
これはもっと最近のデータに敏感で、過去のデータはどんどん影響力が小さくなるんだ。スムージングファクターがポイントよ☆

3.1. 指数移動平均の特徴

指数移動平均は、過去のデータに指数的な減衰を与えつつ、最新のデータにより大きな重みを付ける移動平均です。これにより、加重移動平均よりもさらに最近のデータに敏感に反応します。

  • 現在の価格に一定の係数を掛け、前回のEMAに1からその係数を引いた値を掛けて加えます。
  • 係数(スムージングファクター)は、一般的に \(\frac{2}{N+1}\) で計算され、Nは移動平均の期間です。
  • 過去のデータよりも現在のデータに強く反応するため、トレンドの反転や変化を早期に捉えることができます。

指数移動平均の英語・・・Exponential Moving Average, EMA

3.2. 計算方法

指数移動平均は、現在のデータポイントと前回のEMAの加重平均として計算されます。

\[ \text{EMA}_t = \alpha P_t + (1 - \alpha) \text{EMA}_{t-1} \]

ここで、

  • \( \text{EMA}_t \) は時点 \(t\) における指数移動平均
  • \( P_t \) は時点 \(t\) におけるデータポイント
  • \( \alpha \) はスムージング係数(平滑化係数)で、通常 \(\alpha = \frac{2}{N+1}\) と設定されます
  • \( \text{EMA}_{t-1} \) は時点 \(t-1\) における前回のEMA
  • \(N\) は移動平均の期間

4. 移動平均の例題

まず、5日間のデータを次のように設定します。

  • 1日目: 10
  • 2日目: 12
  • 3日目: 15
  • 4日目: 14
  • 5日目: 13

単純移動平均、加重移動平均、指数移動平均を3日間ごとに求めなさい。

4.1. 単純移動平均

単純移動平均は、指定した期間のデータの平均を求めます。ここでは3日間ごとの移動平均を求めます。

  • 1回目 (1~3日目の平均): \( \frac{10 + 12 + 15}{3} = \frac{37}{3} \approx 12.33 \)
  • 2回目 (2~4日目の平均): \( \frac{12 + 15 + 14}{3} = \frac{41}{3} \approx 13.67 \)
  • 3回目 (3~5日目の平均): \( \frac{15 + 14 + 13}{3} = \frac{42}{3} =14 \)

4.2. 加重移動平均

加重移動平均は、最近のデータに大きな重みをつけて計算します。ここでは、重みをそれぞれ 1, 2, 3(最新の日付に最も大きな重み)とします。

  • 1回目 (1~3日目): \( \frac{10 \times 1 + 12 \times 2 + 15 \times 3}{1+2+3} = \frac{10 + 24 + 45}{6} = \frac{79}{6} \approx 13.17 \)
  • 2回目 (2~4日目): \( \frac{12 \times 1 + 15 \times 2 + 14 \times 3}{6} = \frac{12 + 30 + 42}{6} = \frac{84}{6} = 14.00 \)
  • 3回目 (3~5日目): \( \frac{15 \times 1 + 14 \times 2 + 13 \times 3}{6} = \frac{15 + 28 + 39}{6} = \frac{82}{6} \approx 13.67 \)

4.3. 指数移動平均

平滑化係数 \(\alpha\) を設定し、EMAを更新します。今回は、平滑化係数 \(\alpha = \frac{2}{N+1} = \frac{2}{3+1} = 0.5\) とします。

  • 1回目: SMAの値を最初のEMAとして使います。つまり、12.33です。
  • 2回目:$$EMA_2 = \alpha \times \text{最新値} + (1 - \alpha) \times EMA_1 = 0.5 \times 14 + 0.5 \times 12.33 = 7 + 6.165 = 13.17$$
  • 3回目: \( EMA_3 = 0.5 \times 13 + 0.5 \times 13.17 = 6.5 + 6.585 = 13.085 \)

4.4. まとめ

日付範囲 単純移動平均(SMA) 加重移動平均(WMA) 指数移動平均(EMA)
1日目~3日目 12.33 13.17 12.33
2日目~4日目 13.67 14.00 13.17
3日目~5日目 14.00 13.67 13.085
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