MTTR(平均修理時間)の計算方法とは?ゆるーくわかりやすく解説



1. 平均修理時間(MTTR)とは?
平均修理時間(MTTR:Mean Time To Repair)は、故障が発生してから修理が完了するまでの平均時間を示す指標です。システムや機器がトラブルから回復するまでにどれだけの時間がかかるかを計測するため、特に保守性を評価する際に利用されます。この指標は、機器やシステムの復旧力を測るために用いられ、MTTRが短いほど迅速な修理対応ができていることを意味します。
1.1. 英語で考えると
MTTRは「Mean Time To Repair」の略で、英語の意味をそのまま直訳すると「修理にかかる平均時間」という意味になります。この言葉のポイントは「Mean(平均)」「Time(時間)」「To Repair(修理のために)」の3つに分解すると理解しやすいです。故障が発生した際に、どれだけの時間が必要かを平均的に示しているので、保守や管理の現場で「修理対応力」を評価するために使われます。


2. MTTRの計算方法
\[ \text{MTTR} = \frac{\text{総修理時間}}{\text{故障の回数}} \]
例えば、あるシステムが3回故障し、修理にかかった時間がそれぞれ2時間、3時間、4時間だったとします。この場合、総修理時間は9時間(2 + 3 + 4)です。これを故障の回数3回で割ると、MTTRは3時間となります。


3. MTTRの計算問題
あるシステムが1ヶ月間で5回故障し、それぞれの修理にかかった時間が次の通りです。
2時間、3時間、4時間、1時間、5時間。
この場合のMTTRを求めてください。
総修理時間を求めるために、各修理時間を合計します。
\[ 2 + 3 + 4 + 1 + 5 = 15 \text{ 時間} \]
次に、修理回数は5回なので、MTTRは次のように計算します。
\[ \text{MTTR} = \frac{15}{5} = 3 \text{ 時間} \]
このシステムのMTTRは3時間です。
4. MTTRが重要な理由
4.1. ダウンタイムの短縮
MTTRが短いと、システムが故障してもすぐに復旧できるため、業務に与える影響が最小限に抑えられます。
4.2. 顧客満足度の向上
迅速な修理対応により、ユーザーに安心感を与え、信頼性が向上します。
4.3. 運用コストの削減
長時間のダウンタイムを防ぐことで、余計な修理費用や人件費を削減することが可能です。
5. MTTRと他の指標との違い
MTTRと混同されやすい指標には、MTBF(平均故障間隔)や稼働率が存在します。


5.1. MTBF
MTBF(Mean Time Between Failures)は故障と故障の間にシステムが正常に稼働している時間の平均を指します。主にシステムや機器の信頼性を測る指標です。
\[ \text{MTBF} = \frac{\text{総稼働時間}}{\text{故障回数}} \]
5.2. 稼働率
MTBFは、主に「いつ故障するか」を示しますが、MTTR(Mean Time to Repair:平均修理時間)は「故障から修理完了までの時間の平均」を示します。この二つを組み合わせて、稼働率(可用性)を計算することも可能です。稼働率(A)は次のように求められます。