順列nPrの意味と組み合わせnCrの違い、例題について



1. 順列とは
1.1. $_{n}\mathrm P_{r}$の定義
順列とは、重複を許さずにn個の中からr個を選び、その選んだ要素を特定の順番で並べる方法のことです。この並べ方の数を表すのが、$_{n}\mathrm P_{r}$と呼ばれる順列の公式です。
$$_{n}\mathrm P_{r}= \frac{n!}{(n – r)!} $$
ここで、$n!$は$n$の階乗を表し、$n$から1までの連続する整数を掛け合わせたものです。また、$(n – r)!$は$n – r$の階乗です。
さらに、$_{n}\mathrm P_{r}$の式を展開すると次のように書くことができます。
$$ _{n}\mathrm P_{r}= n(n – 1)(n – 2) \cdots (n – r + 1) $$
つまり、nから始めて、r個の要素を選び、その要素を並べる方法を表しています。
1.2. 順列と組み合わせの違い
順列では「並べる順番」が重要です。例えば、n個の中からr個を選ぶ際、どの順番で並べるかが異なれば別の順列としてカウントされます。
一方、組み合わせでは、選んだ要素を並べる順番は考慮されません。順列と組み合わせの違いは、選んだ後に並べるかどうかにあります。順番が重要な場合は順列、順番を気にしない場合は組み合わせです。


1.3. 順列の計算例
具体的な例で順列を計算してみましょう。
$_{4}\mathrm P_{2}$を計算する場合:
$$_{4}\mathrm P_{2}= 4 \cdot 3 = 12 $$
これは、4つの要素から2つを選び、それらを並べる方法が12通りあることを意味します。
$_{8}\mathrm P_{3}$を計算する場合:
$$ _{8}\mathrm P_{3}= 8 \cdot 7 \cdot 6 = 336 $$
こちらは、8つの要素から3つを選び、それらを並べる方法が336通りあることを意味します。
2. 順列の例題
2.1. 例題 1:数字の並べ方
5つの中の数字から3つを並べる順列は次のように計算されます。
\[_5 \mathrm{P} _3= \frac{5!}{(5 – 3)!} = \frac{5!}{2!}= \frac{120}{2} = 60 \]
60通りの順列が考えられます。
2.2. 例題 2:アルファベットの並べ方
4つの文字列の順列は次のように計算されます。
\[ _4 \mathrm{P} _4= 4! = 4 \times 3 \times 2 \times 1 = 24 \]
24通りの順列が考えられます。