更新:2025/02/08
パーシェ指数の意味と計算例について


はるか
パーシェ指数って知ってる?

ふゅか
うん!物価の変動を測るための指数よね。

はるか
そう。パーシェ指数は現在の数量を基準に計算する。
1. パーシェ指数
パーシェ指数(Paasche index)は、物価指数の一種であり、特定の基準年と比較して、現在の価格水準がどの程度変動したかを測るために用いられます。主に経済学や統計学の分野で利用され、特にインフレや購買力の分析に活用されます。
パーシェ指数は、以下の式で計算されます。
\[ P_P = \frac{\displaystyle\sum^n_{i=1} (p_{ti} \cdot q_{ti})}{\displaystyle\sum^n_{i=1} (p_{0i} \cdot q_{ti})} \]
- \( P_P \) : パーシェ指数
- \( p_{ti} \) : 基準年(過去)と比較する現在の価格
- \( p_{0i} \) : 基準年の価格
- \( q_{ti}\) : 現在の数量(ウェイト)
1.1. ラスパイレス指数との違い
指数名 | 計算基準 | 特徴 |
---|---|---|
ラスパイレス指数 | 基準年の数量 \( q_0 \) | インフレを過大評価しやすい |
パーシェ指数 | 現在の数量 \( q_t \) | インフレを過小評価しやすい |
2. パーシェ指数の計算例題
2.1. 問題
ある市場において、以下の3つの商品について価格と数量の変化がありました。パーシェ指数を求めなさい。
商品 | 基準年価格 (p₀) | 現在価格 (pₜ) | 現在数量 (qₜ) |
---|---|---|---|
A | 150円 | 180円 | 20個 |
B | 300円 | 350円 | 10個 |
C | 500円 | 480円 | 15個 |
パーシェ指数の計算式:
\[ P_P = \frac{\sum (p_t \cdot q_t)}{\sum (p_0 \cdot q_t)} \]
各商品の計算
- \( A \) の寄与: \( 180 \times 20 = 3600 \), \( 150 \times 20 = 3000 \)
- \( B \) の寄与: \( 350 \times 10 = 3500 \), \( 300 \times 10 = 3000 \)
- \( C \) の寄与: \( 480 \times 15 = 7200 \), \( 500 \times 15 = 7500 \)
合計: \[ \sum (p_t \cdot q_t) = 3600 + 3500 + 7200 = 14300 \] \[ \sum (p_0 \cdot q_t) = 3000 + 3000 + 7500 = 13500 \]
\[ P_P = \frac{14300}{13500} \approx 1.0593 \]
パーシェ指数は 1.059(約105.9%)
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