更新:2025/04/22

パスワードスプレーとは?ゆるーくわかりやすく解説

パスワードスプレーとは・・・

  • よく使われる簡単なパスワードを、多数のアカウントに対して試す攻撃手法です
  • アカウントごとの試行回数が少ないため、ロックアウト回避が狙われます
  • 「123456」や「password」などのパスワードで複数アカウントに不正ログインされる危険があります

パスワードスプレーとは、よく使われる簡単なパスワードを多数のアカウントに対して試すサイバー攻撃です。本記事ではその仕組みや目的、総当たり攻撃との違い、被害を防ぐための対策まで詳しく解説します。

ふゅか
ふゅか
ねぇ最近「パスワードスプレー」って言葉よく見かけるんだけど、なにそれ?スプレーって…なんか撒くの?

はるか
はるか
うん。たくさんのアカウントに試す手法。単純だけど、効果的。

1. パスワードスプレーとは?

パスワードスプレーとは、攻撃者が「123456」や「password」といった誰でも思いつくようなパスワードを、たくさんのアカウントに対して試すサイバー攻撃手法のことです。

一度に大量のアカウントを対象にするため、組織や企業の情報システムが狙われやすく、「パスワードが簡単すぎる人」を見つけることが目的です。

1.1. 英語から推測すると

  • Password:パスワード(合言葉、認証に使う文字列)
  • Spraying:スプレーする、噴霧する、まき散らすという意味

英単語「spray」から連想されるのは、霧状に広くまくとか、少量を広範囲に拡散するといったイメージです。

それを「パスワード」と組み合わせると、

1つか少数のパスワードを、広い範囲(多くのアカウント)にまき散らすように試す

というイメージになります。

2. 総当たり攻撃との違い

パスワードスプレーと似た言葉に「総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)」がありますが、以下のような違いがあります。

項目 パスワードスプレー 総当たり攻撃
対象 多数のアカウント 単一アカウント
試すパスワードの数 少数(例:3〜10個) 数千〜数百万
アカウントロックのリスク 低い(分散される) 高い(集中する)

3. パスワードスプレーの目的と手口

パスワードスプレーの攻撃は次のような目的で行われます。

  • 簡単なパスワードを使っているアカウントに不正ログインする
  • セキュリティ対策が甘いシステムに侵入する
  • 内部システムから情報を盗む、またはウイルスをばらまく

3.1. 手口の流れ(例):

  1. 攻撃者が企業のメールアドレス一覧を入手
  2. 「123456」「welcome」「qwerty」など、ありきたりなパスワードを選定
  3. 各アカウントに対してこれらのパスワードを試す
  4. 成功したアカウントにログインし、情報を取得・拡散する

4. 実際の攻撃例(イメージ)

ある企業で、従業員のアカウントに「password123」を使っていた人がいたとします。

攻撃者は企業の社員全員のメールアドレスを入手していて、「password123」で全員のログインを試した結果、その人のアカウントに簡単にログイン成功

その後、内部文書が流出する事態に……。

5. パスワードスプレーへの主な対策

5.1. 多要素認証(MFA)の導入

パスワードに加えてスマートフォンや認証アプリを使うことで、仮にパスワードが漏れてもログインを防げます。

5.2. パスワードの強化

「123456」や「password」などのありがちなパスワードは絶対に使わないようにしましょう。

5.3. ログの監視と異常検知

同じIPから多数のログイン試行があった場合など、不審なアクセスを検知する仕組みを取り入れましょう。

5.4.  ログイン試行制限

連続してログインに失敗した場合、一時的にアカウントをロックするなどの措置を設定します。