PPP(Point to Point Protocol)とは?ゆるーくわかりやすく解説



1. PPP(Point to Point Protocol)とは?
PPP(Point to Point Protocol)は、コンピュータやネットワーク機器が互いに通信を行う際に使用される通信プロトコルの一つです。特に、2つのポイント(点と点)間を直接接続してデータをやり取りするために設計されています。このプロトコルは、専用線、ISDNなどで使われ、インターネット接続においても一時期非常に重要な役割を果たしました。
1.1. 英語から推測すると
英語の名前をもとに特徴を推測すると、
- Point-to-Point: 特定の2つのノード間で直接通信を行う。
- Protocol: データ転送やエラー処理など、通信に必要なルールを定義。
つまり、PPPは、特定の2点間でデータをやり取りする際のルールを提供するプロトコルといえます。


2. PPPの基本的な仕組み
PPPは、データリンク層(OSI参照モデルの第2層)で動作するプロトコルで、主に次のような機能を提供します。
2.1. リンクの確立と管理
PPPは、通信を開始する前に、送信側と受信側の接続(リンク)を確立します。この手順では、互いに通信条件を交渉し、適切な通信が行えるように設定を調整します。
2.2. データのカプセル化
PPPは、送信データをパケット形式でカプセル化します。この形式により、異なるプロトコルやデータ形式が混在するネットワークでもデータが正常に送受信できます。
2.3. 認証
接続時にユーザー認証を行うことが可能です。主な認証方式には、以下の2種類があります。
2.3.1. PAP(Password Authentication Protocol)
シンプルな方式ですが、パスワードやIDが平文で送信されるので、セキュリティが低いです。しかし、昔はこれがよく使われていたのです。
2.3.2. CHAP(Challenge Handshake Authentication Protocol)
CHAPは、PAPよりも安全性を高めた認証方式です。「チャレンジ・レスポンス方式」と呼ばれる仕組みを採用しており、接続時に暗号化された認証情報を使用します。この仕組みにより、IDやパスワードが盗聴されにくくなり、安全な通信を実現できます。
3. 現代におけるPPPの位置づけ
PPPは、かつてダイヤルアップ接続や専用線での通信において非常に重要な役割を果たしていました。しかし、現代では通信技術の進化に伴い、利用される場面が大きく変化しています。
たとえば、現在の多くの家庭やオフィスでは、光回線が主流となっています。この光回線で用いられるのがPPPoE(PPP over Ethernet)という技術です。