更新:2024/11/24

剰余の定理の証明と計算、3つの例題について

はるか
はるか
剰余の定理、簡単に言うと多項式を割るときに、代入すると余りがすぐにわかる定理。
ふゅか
ふゅか
そうね!例えば \( f(x) \) を \( x – a \) で割ったとき、余りが \( f(a) \) で求められるから、計算も楽になるわ♪

1. 剰余の定理とは

剰余の定理は、多項式の除法に関連する定理です。

1.1. 剰余の定理

\( f(x) \) を \( x – a \) で割ったときの余りは、\( f(a) \) に等しい。

1.2. 剰余の定理の例

例えば、次の多項式を考えます。

\[ f(x) = 2x^3 + 3x^2 – 5x + 7 \]

これを \( x – 2 \) で割るとします。この場合、剰余の定理によって、余りは \( f(2) \) で求められます。

\[ f(2) = 2(2)^3 + 3(2)^2 – 5(2) + 7 = 16 + 12 – 10 + 7 = 25 \]

したがって、余りは \( 25 \) となります。

組立除法で、余りが正しいか確認すると次のようになる。

2. 剰余の定理の証明

ふゅか
ふゅか
次に、剰余の定理の証明も見てみようよ!
はるか
はるか
余りが定数になることがポイント。

2.1. 証明

多項式 \( f(x) \) を一次式 \( x – a \) で割ると、次のように書けます。

\[ f(x) = (x – a)q(x) + r \]

ここで、\( q(x) \) は商、\( r \) は余りです。そして、余り \( r \) は一次式 \( x – a \) で割るため、\( r(x) \) は定数になります。したがって、\( r(x) = r \) です。

両辺に \( x = a \) を代入します。すると、

\[ f(a) = (a – a)q(a) + r \]

\[ f(a) = 0 \cdot q(a) + r \]

結果として、余り \( r \) は次のように求められます。

\[ r = f(a) \]

よって、剰余の定理が成り立つことが証明されました。つまり、多項式 \( f(x) \) を \( x – a \) で割ったときの余りは \( f(a) \) に等しいということです。

2.2. 補足

この剰余の定理は「因数定理」にもつながります。もし \( f(a) = 0 \) であれば、\( x – a \) は \( f(x) \) の因数であることがわかります。

3. 剰余の定理の例題

3.1. 例題 1:

次の多項式 \( f(x) = x^3 + 2x^2 – 5x + 3 \) を \( (x – 2) \) で割ったときの余りを求めなさい。

剰余の定理より、\( f(2) \) を計算すれば余りが求められます。

\[ f(2) = 2^3 + 2 \cdot 2^2 – 5 \cdot 2 + 3 = 8 + 8 – 10 + 3 = 9 \]

したがって、余りは \( 9 \) です。

3.2. 例題 2:

次の多項式 \( f(x) = 4x^4 – 3x^3 + x^2 – 2x + 5 \) を \( (x + 1) \) で割ったときの余りを求めなさい。

剰余の定理を使うためには、\( f(-1) \) を計算します。

\[ f(-1) = 4(-1)^4 – 3(-1)^3 + (-1)^2 – 2(-1) + 5 = 4 + 3 + 1 + 2 + 5 = 15 \]

したがって、余りは \( 15 \) です。

3.3. 例題 3:

次の多項式 \( f(x) = 2x^5 – 7x^4 + x^2 – 4x + 6 \) を \( (x – 3) \) で割ったときの余りを求めなさい。

剰余の定理に従って、\( f(3) \) を計算します。

\[ f(3) = 2(3)^5 – 7(3)^4 + (3)^2 – 4(3) + 6 = 2 \cdot 243 – 7 \cdot 81 + 9 – 12 + 6 = 486 – 567 + 9 – 12 + 6 = -78 \]

したがって、余りは \( -78 \) です。

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