更新:2024/09/16

確率密度関数の性質・意味・具体例について

はるか
はるか
確率密度関数って、連続変数の範囲で確率を示す関数のことだよ。値自体が現れる確率はゼロだけど、その範囲の確率を面積で表せる。
ふゅか
ふゅか
うん!特定の値じゃなくて、その範囲での確率を計算するってことね。

1. 確率密度関数とは

確率密度関数(PDF: Probability Density Function)の意味を簡単に言うと、連続型確率変数の値がどの範囲に現れるかを示すものです。連続型確率変数では、特定の1つの値が現れる確率はゼロですが、ある範囲内に変数が存在する確率を計算できます。この範囲に対する確率は、確率密度関数のグラフのその範囲の下の面積として表現されます。

連続型確率変数XXがあるxxの値をとるとき、f(x)f(x)を確率密度関数と呼ぶ。

1.1. 直感的なイメージ

確率密度関数は、グラフの形で考えると分かりやすいです。例えば、山のような形をしている正規分布の 確率密度関数を見ると、山の高い部分ではその周辺で値が現れる可能性が高く、両端の低い部分では値が現れる可能性が低いということを表しています。確率自体は面積として捉えるので、山の下にある面積がその範囲の確率です。

2. 確率密度関数の性質

確率密度関数は、連続確率変数の確率分布を表す関数で、特定の値が現れる確率を表します。次の性質を持っています。

  1. 非負性: 確率密度関数 f(x) f(x) は、すべての x x に対して非負でとなります。 f(x)0 f(x) \geq 0
  2. 確率の総和が1: 確率密度関数の下の面積は1に等しい、つまり、変数全体の確率の和が1であることを示します。これを式で表すと、次のようになります。 f(x)dx=1 \int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx = 1
  3. 特定の範囲の確率: 確率密度関数から、連続変数が特定の範囲にある確率は、範囲に対応する面積として表されます。例えば、変数が a a から b b の間にある確率は次のように表せます。 P(aXb)=abf(x)dx P(a \leq X \leq b) = \int_{a}^{b} f(x) \, dx

PDF自体は特定の値での確率を直接表すものではなく、値の範囲にわたる確率を面積として求めます。したがって、連続確率変数に対して特定の値に等しい確率は0です(P(X=x)=0 P(X = x) = 0 )。

2.1. 例: 正規分布の確率密度関数

正規分布(ガウス分布)の確率密度関数は、次のように定義されます。

f(x)=1σ2πexp((xμ)22σ2) f(x) = \frac{1}{\sigma \sqrt{2\pi}} \exp \left( -\frac{(x - \mu)^2}{2\sigma^2} \right)

ここで、μ \mu は平均、σ \sigma は標準偏差です。

ふゅか
ふゅか
正規分布のグラフなんかを見ると、まさに山の形ね!確率密度関数がその山の下の面積を使って確率を表しているのがポイントよ!

3. 確率密度関数の例題

3.1. 例題 1: 一様分布の確率密度関数

ある区間 [2,6][2, 6] における一様分布の確率密度関数は、次のように定義されています。

f(x)={1ba(axb)0(それ以外) f(x) = \begin{cases} \frac{1}{b - a} & (a \leq x \leq b) \\ 0 & (\text{それ以外}) \end{cases}

ここで、a=2a = 2b=6b = 6 とします。

  1. この一様分布の確率密度関数を求めてください。
  2. 区間 [3,5][3, 5] の間に値が存在する確率を求めてください。

一様分布の確率密度関数は、区間 [2,6][2, 6] において定義されています。したがって、確率密度関数は次のようになります。

f(x)={162=14(2x6)0(それ以外) f(x) = \begin{cases} \frac{1}{6 - 2} = \frac{1}{4} & (2 \leq x \leq 6) \\ 0 & (\text{それ以外}) \end{cases}

区間 [3,5][3, 5] の間に値が存在する確率を求めるには、確率密度関数の積分を使います。確率 P(3x5)P(3 \leq x \leq 5) は次のように計算されます。

P(3x5)=3514dx P(3 \leq x \leq 5) = \int_{3}^{5} \frac{1}{4} \, dx

P(3x5)=14×(53)=14×2=12 P(3 \leq x \leq 5) = \frac{1}{4} \times (5 - 3) = \frac{1}{4} \times 2 = \frac{1}{2}

したがって、区間 [3,5][3, 5] の間に値が存在する確率は 12 \frac{1}{2} です。

3.2. 例題 2: 正規分布の確率密度関数

標準正規分布の確率密度関数は次のように定義されます。

f(x)=12πexp(x22) f(x) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \exp\left(-\frac{x^2}{2}\right)

  1. x=0x = 0 における確率密度 f(0)f(0) を求めてください。
  2. x=1x = 1 における確率密度 f(1)f(1) を求めてください。

x=0x = 0 における確率密度は、次のように計算されます。

f(0)=12πexp(022)=12π×1=12π f(0) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \exp\left(-\frac{0^2}{2}\right) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \times 1 = \frac{1}{\sqrt{2\pi}}

x=1x = 1 における確率密度は、次のように計算されます。

f(1)=12πexp(122)=12πexp(12) f(1) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \exp\left(-\frac{1^2}{2}\right) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \exp\left(-\frac{1}{2}\right)

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