更新:2024/11/24

命題の裏・逆・対偶の真偽、具体例、例題について

はるか
はるか
命題の話か…真偽がはっきりしてる文。
ふゅか
ふゅか
そうそう!例えば「すべての偶数は2の倍数である」とか!

1. 命題

命題とは、真偽が明確に定まる文のことです。例えば、「すべての偶数は2の倍数である」は真の命題ですが、「2は奇数である」は偽の命題です。

命題「 \( p \) ならば \( q \) 」は次のように書かれる。

$$p \Rightarrow q$$

pを仮定、qを結論と呼ぶ。

1.1. 命題の逆

命題「 \( p \) ならば \( q \) 」のとは、「 \( q \) ならば \( p \) 」です。

  • 元の命題: 「雨が降れば、道路は濡れる」
  • 裏: 「道路が濡れれば、雨が降った」

ここで、逆の命題は必ずしも真ではありません。例えば、「道路が濡れれば、雨が降った」という命題を考えると、道路が濡れている本当の理由は、例えばスプリンクラーが原因かもしれません。

命題「$p \Rightarrow q$」の逆は次のように書かれる。

$$q \Rightarrow p$$

ふゅか
ふゅか
「命題の逆」って、「元の命題を逆さまにする」ってことで合ってる?
はるか
はるか
そう。「pならばq」を「qならばp」にする。それが逆の命題。

1.2. 命題の裏

命題「\( p \) ならば \( q \) 」のは、「\( p \) でないならば \( q \) ではない」です。

  • 元の命題: 「もし雨が降れば、道路は濡れる。」
  • 否定: 「雨が降らないらば、道路は濡れない。」
命題「$p \Rightarrow q$」の裏は次のように書かれる。

$$\overline{p} \Rightarrow \overline{q}$$

はるか
はるか
裏は「pでないならばqでない」。
ふゅか
ふゅか
わかった!pとqの否定を考えるんだね。

1.3. 命題の対偶

命題「もし \( p \) ならば \( q \) 」の対偶は、「もし \( q \) でないならば \( p \) でない」です。対偶は元の命題と真偽が一致することが特徴です。

  • 元の命題: 「もし雨が降れば、道路は濡れる」
  • 対偶: 「もし道路が濡れていないならば、雨は降っていない」

元の命題が真であれば、対偶も真となります。また、元の命題が偽であれば、対偶も偽です。

命題「$p \Rightarrow q$」の対偶は次のように書かれる。

$$\overline{q} \Rightarrow \overline{p}$$

ふゅか
ふゅか
最後は「対偶」ね!
はるか
はるか
対偶は「qでないならばpでない」。元の命題と真偽が一致する特徴がある。

2. 対応関係

命題「pならばq」の裏・逆・対偶の関係図は次のように表すことができる。

3. 例題

3.1. 例題 1

命題「雨が降れば、地面が濡れる」を数学的に表すと、命題 \( p \Rightarrow q \) になります。
  • \( p \): 雨が降る
  • \( q \): 地面が濡れる

この命題に対して、次の3つの命題を求めてください。

  1. 裏 (\(\overline{p} \Rightarrow \overline{q}\))
  2. 逆 (\(q \Rightarrow p\))
  3. 対偶 (\(\overline{q} \Rightarrow \overline{p}\))
  1. 裏の命題: 「雨が降らなければ、地面は濡れない。」
  2. 逆の命題: 「地面が濡れれば、雨が降っている。」
  3. 対偶の命題: 「地面が濡れていなければ、雨が降っていない。」

3.2. 例題 2

xを自然数とする。命題「\( x \) が偶数ならば、\( x^2 \) は偶数である」を次のように表します。
  • \( p \): \( x \) が偶数である
  • \( q \): \( x^2 \) は偶数である

この命題に対して、次の3つの命題とそれぞれの命題の真偽を求めてください。

  1. 裏 (\(\overline{p} \Rightarrow \overline{q}\))
  2. 逆 (\(q \Rightarrow p\))
  3. 対偶 (\(\overline{q} \Rightarrow \overline{p}\))

命題:「\( x \) が偶数ならば、\( x^2 \) は偶数である」

真です。なぜなら、偶数 \( x \) を二倍数 \( x = 2k \) とすると、\( x^2 = (2k)^2 = 4k^2 \) も偶数になります。よって、この命題は常に成立します。

裏の命題: 「\( x \) が偶数でなければ、\( x^2 \) は偶数でない。」

これは真です。もし \( x \) が奇数ならば、\( x = 2k + 1 \) となり、\( x^2 = (2k + 1)^2 = 4k^2 + 4k + 1 \) は奇数になります。したがって、\( x \) が偶数でなければ \( x^2 \) も偶数でないことがわかります。

逆の命題: 「\( x^2 \) が偶数ならば、\( x \) は偶数である。」

裏の対偶は逆であるため、裏の命題と逆の命題の真偽は一致する。したがって、真。

対偶の命題: 「\( x^2 \) が偶数でなければ、\( x \) は偶数ではない。」

命題の対偶と命題の真偽は一致する。したがって、真。

3.3. 例題 3

nは自然数とする。命題「\( n \) が素数であれば、\( n \) は奇数である」を考えます。
  • \( p \): \( n \) が素数である
  • \( q \): \( n \) が奇数である

この命題に対して、次の3つの命題とそれぞれの命題の真偽を求めてください。

  1. 裏 (\(\overline{p} \Rightarrow \overline{q}\))
  2. 逆 (\(q \Rightarrow p\))
  3. 対偶 (\(\overline{q} \Rightarrow \overline{p}\))

命題:「\( n \) が素数であれば、\( n \) は奇数である」

。2は素数であり、偶数であるため、この命題は偽です。

裏の命題: 「\( n \) が素数でなければ、\( n \) は奇数でない。」

。例えば、9や21は素数ではないですが、奇数であるため、この命題は偽です。

逆の命題: 「\( n \) が奇数であれば、\( n \) は素数である。」

。例えば、9や15は奇数ですが、素数ではないため、この命題は偽です。

対偶の命題: 「\( n \) が奇数でなければ、\( n \) は素数ではない。」

。2は偶数であり、素数であるため、この命題は偽です。

PR