更新:2024/09/18

連続型確率変数と離散型確率変数の意味・例題について

はるか
はるか
確率変数…連続と離散がある。
ふゅか
ふゅか
うん、連続型確率変数と離散型確率変数、それぞれの違いが理解できれば基本はバッチリ!

1. 連続型確率変数と離散型確率変数について

確率変数は、確率分布に従う値を取る変数のことです。確率変数は大きく分けて 連続型確率変数離散型確率変数 に分類されます。それぞれの違いを以下に詳しく説明します。確率変数の取りうる値を実現値といいます。

2. 離散型確率変数

離散型確率変数 は、取りうる値が数えられるような確率変数です。具体的には、値が有限個、または数え上げ可能な無限個である場合がこれに該当します。

  • : サイコロを振る場合、出る目(1, 2, 3, 4, 5, 6)は離散型確率変数です。なぜなら、それらの値は数えられるからです。
  • 確率分布: 離散型確率変数では、各値が取る確率が定義され、その確率をすべて合計すると 1 になります。これを確率質量関数と呼びます。
  • 代表的な例:
    • サイコロの目
    • コインの表裏
    • 商品の売上数

2.1. 離散型確率変数の特徴

  • 取り得る値は整数(または明確な値)で表される。
  • 確率質量関数 を使って、それぞれの値が取る確率を記述する。

確率質量関数 \( P(X = x) \) は、変数 \( X \) が特定の値 \( x \) を取る確率を表します。

サイコロの目 \( X \) に対する確率質量関数は次のようになります。

\[ P(X = x) = \frac{1}{6}, \quad x = 1, 2, 3, 4, 5, 6 \]

はるか
はるか
離散型確率変数の特徴は、取り得る値が整数や数えられる値ってことだよね。
ふゅか
ふゅか
うん!その通り!具体的な例として、サイコロの目が数えられるし、それぞれの目が出る確率は確率質量関数で表されるの。

3. 連続型確率変数

連続型確率変数 は、取りうる値が数えられない場合の確率変数です。これは通常、特定の範囲内で任意の実数を取ることができます。

  • : 1秒間に観測される風速は、任意の値を取り得ます。これは連続的な値を持つため、連続型確率変数です。
  • 確率分布: 連続型確率変数では、特定の値に対する確率はゼロです。その代わりに、ある範囲に入る確率を考えます。連続型確率変数の分布は 確率密度関数によって表され、関数の下の面積(積分)によって確率が計算されます。
  • 代表的な例:
    • ある区間内の温度

3.1. 連続型確率変数の特徴

  • 取り得る値は実数であり、任意の小数も含む。
  • 確率密度関数によって確率分布が記述される。

確率密度関数 \( f(x) \) は、変数 \( X \) が特定の区間に入る確率を求める際に使われます。具体的には、確率は区間内での積分として表されます。

連続型確率変数 \( X \) が区間 \( [a, b] \) に入る確率は次のように表されます。

\[ P(a \leq X \leq b) = \int_a^b f(x) \, dx \]

ここで、\( f(x) \) は確率密度関数です。

4. 離散と連続のまとめ

  • 離散型確率変数は、取りうる値が個別に区別でき、数えられる。
    • 代表的な確率分布:二項分布、ポアソン分布
  • 連続型確率変数は、取りうる値が連続的で、数えられない。

5. 例題

5.1. 例題 1: サイコロを振る

1から6までの数が書かれたサイコロを1回振ったときの出目 \( X \) を確率変数とする。 \( X \) の確率分布を求めよ。
  • 確率変数 \( X \) の取りうる値は1から6までの整数である。
  • 各出目が出る確率は等しく、確率は \( \frac{1}{6} \) である。
\( X \) 1 2 3 4 5 6
\( P(X=x) \) \( \frac{1}{6} \) \( \frac{1}{6} \) \( \frac{1}{6} \) \( \frac{1}{6} \) \( \frac{1}{6} \) \( \frac{1}{6} \)

5.2. 例題 2: コインを2回投げる

コインを2回投げたとき、表が出た回数 \( Y \) を確率変数とする。 \( Y \) の確率分布を求めよ。
  • 確率変数 \( Y \) は、0回、1回、2回の表が出る回数を取ることができる。
  • 各コインの表が出る確率は \( \frac{1}{2} \) である。
\( Y \) 0 1 2
\( P(Y=y) \) \( \frac{1}{4} \) \( \frac{1}{2} \) \( \frac{1}{4} \)

表が0回:裏-裏の場合

\[ P(Y=0) = \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4} \]

表が1回:表-裏、または裏-表の場合

\[ P(Y=1) = 2 \times \left( \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} \right) = \frac{1}{2} \]

表が2回:表-表の場合

\[  P(Y=2) = \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}\]

5.3. 例題 3: ビンゴゲーム

ビンゴゲームにおいて、カードに書かれた数字の中からランダムに1つの数字が選ばれる。選ばれた数字が偶数であるかどうかを確率変数 \( Z \) とする。偶数と奇数が選ばれる確率を求めよ。

ビンゴカードには1から75までの数字が書かれているため、取りうる偶数の数は次の通り。

  • 偶数は \( 2, 4, 6, …, 74 \) のように計算できるため、全体で偶数は37個ある。
  • 全体の数字は75個なので、偶数が選ばれる確率は以下のようになる。

\[ P(Z=\text{偶数}) = \frac{37}{75} \] \[ P(Z=\text{奇数}) = \frac{38}{75} \]

PR