更新:2024/09/19

相反方程式の具体例・解き方・例題・奇数次の性質について

ふゅか
ふゅか
今日は相反方程式について話してみない?
はるか
はるか
うん、いいよ。相反方程式は係数が対称な方程式のこと。少し複雑かな。

1. 相反方程式とは

相反方程式は、次数が \( n \) の多項式方程式 \( f(x) = 0 \) において、係数が特定の対称性を持つ方程式を指します。具体的には、ある \( n \) 次多項式

\[ f(x) = a_n x^n + a_{n-1} x^{n-1} + \cdots + a_1 x + a_0 \]

が、相反方程式であるとき、係数が以下のようになっています。

\[ a_i = a_{n-i} \quad (i = 0, 1, \dots, n) \]

すなわち、係数が左右対称になっていることです。

相反方程式には次のようなものがあります。

\[ x^2 + 3x+1= 0\]

\[ x^4 + 5x^3 + 6x^2 + 5x + 1 = 0 \]

2. 相反方程式の解き方

2.1. 偶数次の相反方程式の解法

偶数次の相反方程式は、最高次数が \( 2n \) の方程式で、以下の形をとります。

\[ a_0 x^{2n} + a_1 x^{2n-1} + \dots + a_1 x + a_0 = 0 \]

解法の手順は次のようになります。

  1. 方程式を$x^n$で割って、変数 \( t = x + \frac{1}{x} \) を導入します。この変換により、元の方程式を \( y \) に関する \( n \) 次方程式に変換できます。
  2. 変数変換後に得られた \( n \) 次方程式を解いて、\( y \) の解を求めます。
  3. \( t = x + \frac{1}{x} \) から、二次方程式を解くことで \( x \) の値を求めます。

はるか
はるか
偶数次の相反方程式は、変数変換がポイント。\( t = x + \frac{1}{x} \)を導入してシンプルにするのがコツ。
ふゅか
ふゅか
そうそう、変数変換で元の方程式が簡単な形になるから、解くのが楽になるの!

2.2. 奇数次の相反方程式の解法

奇数次の相反方程式は、最高次数が \( 2n+1 \) の方程式で、次のような形をとります。

\[ a_0 x^{2n+1} + a_1 x^{2n} + \dots + a_1 x + a_0 = 0 \]

解法の手順は次のようになります。

  1. 奇数次の相反方程式は必ず \( (x + 1) \) で割り切れるため、まず \( x = -1 \) が解であることを確認します。
  2. \( P(x) \) を \( (x + 1) \) で割り、その結果得られた \( 2n \) 次の相反方程式を解きます。この \( 2n \) 次の方程式は偶数次相反方程式の形になるため、前述の手法を用いて解を求めます。
ふゅか
ふゅか
奇数次の相反方程式は必ず\( (x + 1) \)で割り切れるっていう特徴があるのよ。これが最初の鍵になるね。
はるか
はるか
\( x = -1 \)を見つけたら、あとはその割り算で得られる方程式を解くだけ。

2.3. 奇数次がx+1で割り切れる理由

相反方程式の奇数次が必ず \( (x + 1) \) で割り切れる理由は、相反方程式の性質と対称性に関係しています。

相反方程式が奇数次の場合について考えます。

\[ a_0 x^{2n+1} + a_1 x^{2n} + \dots + a_1 x + a_0 = 0 \]

この相反方程式に \( x = -1 \) を代入してみます。

\[ a_0 (-1)^{2n+1} + a_1 (-1)^{2n} + \dots + a_n (-1) + \dots + a_1 (-1) + a_0 \]

\[ = -a_0 + a_1 - \dots - a_n +a_n \dots - a_1 + a_0 = 0 \]

この式は、左右対称な構造を持っているため、各項がペアでキャンセルされることがわかります。

ふゅか
ふゅか
奇数次の時を具体的に試してみよう!

3次の相反方程式を考えます。3次の相反方程式は次のようになります。

\[ a_0 x^3 + a_1 x^2 + a_1 x + a_0 = 0 \]

\( x = -1 \) を代入してみます。

\[ a_0 (-1)^3 + a_1 (-1)^2 + a_1 (-1) + a_0 \]

\[ = -a_0 + a_1 - a_1 + a_0 = 0 \]

対称性により \( a_1 \) の項がキャンセルされ、\( a_0 \) の項もキャンセルされます。

次に5次の相反方程式を考えます。

\[ a_0 x^5 + a_1 x^4 + a_2 x^3 + a_2 x^2 + a_1 x + a_0 = 0 \]

これを \( x = -1 \) としたときの式を計算してみます。

\[ a_0 (-1)^5 + a_1 (-1)^4 + a_2 (-1)^3 + a_2 (-1)^2 + a_1 (-1) + a_0 \]

\[ = -a_0 + a_1 - a_2 + a_2 - a_1 + a_0 = 0 \]

ここで、係数の対称性により、中央の \( a_2 \) の項が消えます。

3. 相反方程式の例題

3.1. 例題1(偶数次の相反方程式)

$$x^4+x^3-4x^2+x+1=0$$

であるとき、xの解を求めなさい。

与えられた方程式は

\[ x^4 + x^3 - 4x^2 + x + 1 = 0 \]

です。両辺を \(x^2\) で割ります。

\[ x^2 + x - 4 + \frac{1}{x} + \frac{1}{x^2} = 0 \]

となります。ここで、\( t = x + \frac{1}{x} \) と置くと、

\[ x^2 + \frac{1}{x^2} = t^2 - 2 \]

であるため、方程式は次のようになります。

\[ t^2 - 2 + t - 4 = 0 \]

\[ t^2 + t - 6 = 0 \]

\[ (t-2)(t-3) = 0 \]

したがって、解は \( t = 2 \) または \( t = -3 \) です。

次に、これを用いて \(x\) の解を求めます。

1. \( t = 2 \) の場合、
\[ x + \frac{1}{x} = 2 \]

\[ x^2 - 2x + 1 = 0 \]

\[ (x - 1)^2 = 0 \]

より \( x = 1 \) です。

2. \( t = -3 \) の場合

\[ x + \frac{1}{x} = -3 \]

\[ x^2 + 3x + 1 = 0 \]

この解は、

\[ x = \frac{-3 \pm \sqrt{9 - 4}}{2} = \frac{-3 \pm \sqrt{5}}{2} \]

したがって、最終的に解は次のようになります。

\[ x = 1, \frac{-3 + \sqrt{5}}{2}, \frac{-3 - \sqrt{5}}{2} \]

3.2. 例題2(奇数次の相反方程式)

$$x^5+x^4+x+1=0$$

であるとき、xの解を求めなさい。

与えられた方程式は \( x^5 + x^4 + x + 1 = 0 \) です。因数分解をすると、

\[x^5 + x^4 + x + 1 \]

$$=x^4(x+1)+x+1$$

\[=(x + 1)(x^4 + 1)\]

したがって、$x=-1$、\( x^4 + 1 = 0 \) となります。

次に、\( x^4 + 1 = 0 \) の両辺を \( x^2 \) で割ります。。

\[ x^2 + \frac{1}{x^2} = 0 \]

さらに、\( t = x + \frac{1}{x} \) と置くと、\( t^2 = x^2 + \frac{1}{x^2} + 2 \) となるので、

\[ t^2 - 2 = 0 \]

\[ t^2 = 2 \]

ここから \( t \) の値は、\(t = \pm \sqrt{2}\)である。

\( t = x + \frac{1}{x} \) なので、

\[ x + \frac{1}{x} = \sqrt{2} \]

または

\[ x + \frac{1}{x} = -\sqrt{2} \]

これらを解くために、二次方程式を作ります。

1. \( x + \frac{1}{x} = \sqrt{2} \) の場合
\[ x^2 - \sqrt{2}x + 1 = 0 \]

この二次方程式の解は、
\[ x = \frac{\sqrt{2} \pm \sqrt{2 - 4}}{2} = \frac{\sqrt{2} \pm \sqrt{2}i}{2} \]

2. \( x + \frac{1}{x} = -\sqrt{2} \) の場合
\[ x^2 + \sqrt{2}x + 1 = 0 \]

この二次方程式の解は、
\[ x = \frac{-\sqrt{2} \pm \sqrt{2 - 4}}{2} = \frac{-\sqrt{2} \pm \sqrt{2}i}{2} \]

方程式 \( x^5 + x^4 + x + 1 = 0 \) の解は、

\[ x = -1, \frac{-\sqrt{2} \pm \sqrt{2}i}{2}, \frac{\sqrt{2} \pm \sqrt{2}i}{2} \]

となります。

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